三木流「秘宝伝の超研究」
2015.11.21 / 連載【土曜】三木貴鎬のパチスロ機械選定セミナー
皆さんこんにちは!!76回目の連載になりました。今回は「秘宝伝~伝説への道」(大都、納品12/20~)の評価をしてみたいと思います。 クレアの「秘宝伝」を含めるとシリーズ5作目となる新台が年末年始商戦に登場。完全新基準仕様となった本機がヒットするのかどうか注目されるところです。
<ボーナス>
ボーナスはプレミアムのみのARTメインのタイプ
■BIG:200枚+ART平均200Gスタート
確率:1/5400~1/16000(設定⑥~設定①)
<確率&出玉率>
■ART初当たり確率
設定①:1/447
設定②:1/438
設定③:1/426
設定④:1/405
設定⑤:1/392
設定⑥:1/354
■出玉率
設定①:97.1%
設定②:98.5%
設定③:100.7%
設定④:105.3%
設定⑤:109.1%
設定⑥:113.5%
<通常時>
ベース:35G/50枚
コイン単価:3.1円(設定①)
天井:
①通常時500G到達でART当選
②秘宝チャンス11回スルーで次回無限高確率確定
■秘宝チャンス(ART高確率ゾーン)
チャンス目当選で秘宝チャンス突入
設定①:1/119
設定②:1/117
設定③:1/115
設定④:1/112
設定⑤:1/110
設定⑥:1/99
以下のいずれかの秘宝チャンスに突入
①追っかけタイム:期待度20%
②ドラゴンバトル:期待度30%
③初代高確率:期待度50%
④ 無限高確率:ART確定
※=①②は毎G継続抽選で続いていく(継続率85%)
<ART>
純増:1.6枚/G
(秘宝チャンス込みで2.0枚/G)
G数上乗せタイプ
■秘宝ラッシュ(通常ART)
1セット50G
チャンス目(秘宝チャンス)当選で
以下の3つの上乗せ特化ゾーンのいずれかに突入
①秘宝スプラッシュ(上乗せ特化ゾーン)
チャンス役上乗せ
毎ゲーム85%継続で最大24G継続
24G完走で「伝説チャレンジ」確定
②クレアチャレンジ(上乗せ特化ゾーン)
保留先読み上乗せ
毎ゲーム85%継続で最大24G継続
24G完走で「伝説チャレンジ」確定
③ピラミッドパワー(上乗せ特化ゾーン)
上乗せ高確率ゾーン
上乗せG数は1~256均等振り分け
毎ゲーム85%継続で最大24G継続
24G完走で「伝説チャレンジ」確定
■伝説チャレンジ(0G連上乗せ)
継続率50%の3ケタ上乗せ0G連
■超秘宝ラッシュ(上位ART)
ART減算ストップ
ベル、レア役でG数上乗せ発生
■クレア高確率(引き戻しゾーン)
ART終了後に突入の可能性あり
引き戻し確率70%
<感想>
筐体は専用筐体ですがオーソドックスなもので液晶右側にピラミッド型の掴んで回す役物が搭載されています。映像クオリティは向上していて液晶の画像は綺麗です。音や光などは派手で見栄えしますが、液晶演出自体は良くも悪くも秘宝伝そのもので、完成度は前作と大差ないものでした。
スペックはA+ARTですが、ボーナスはプレミアムBIGのみ、メインはARTになります。ARTの純増枚数を2.0枚/Gとしていますが、途中で当選する秘宝チャンスがミドルボーナスになっていて、そのMBの純増が5~6枚あり、それ込みで純増2.0枚なので、実質のARTの純増は1.6枚になります。そのMBの秘宝チャンスは通常時もART中も非常に重要な役割を担っています。通常時はチャンス目を引くと必ず秘宝チャンスに突入。前作はチャンス目を引いても、そのうちの1/3~1/2程度が高確率につながるだけで、非常に当たりまでのハードルが高く不評でしたが、本機はそれを改善して通常時の「チャンス目=高確率」となりました。その高確率ゾーンも毎ゲーム85%の継続率で自力での達成感があり、初代高確率では今まで通りの10G保障で期待感が高まります。通常時のチェリーやレアリプレイはMBとの重複抽選を行っており、レア役後に数G間、演出がざわついて、その後チャンス目が出現します。また通常時のステージはチャンス目を引いた時に良いステージにいると、上位の高確率ゾーンが選択されやすいようになっています。天井は秘宝チャンス11回スルーか、秘宝チャンス500Gハマリ。バジ絆と同様のイメージですが、テーブル方式ではないので、ART終了後は即止めしたくなる天井です。ART中は分かり易くチャンス目を引けば上乗せ特化ゾーンに突入します。上乗せ特化ゾーンも一撃性が高く、純増1.6枚だからこそ実現できる大きな上乗せです。初めのうちに大きな上乗せがあると、雪だるま式に上乗せが発生し、ロング継続が期待できるタイプ。プレミアムBIGに大きな設定差がありますが、ART初当たり確率を見ても設定差が少なく勝負は一撃の上乗せ次第なので、ギャンブル好き層には受けそうなスペックです。
懸念材料はART中の押し順ミス、目押しミスでARTが転落してしまい現状維持程度のATになってしまうことです。ARTに復活するにはチャンス目を引く必要があり、転落すると厳しいペナルティーとなります。液晶に黒い!マークが出ると、転落役をハズすために、左リールにBAR絵柄を狙います。もし、左リールで失敗しても、中、右と同様にBAR狙いをすることで回避できるのでゲーム性を理解していれば、目押しミスによる転落は防げます。ベルの押し順ミスでも転落する可能性がありますが、それも押し順ミスのうちの一部のようなので問題はなさそうです。ただ、何も分かっていない年配客などは、転落させてしまう可能性は十分にあるので注意が必要です。
ゲーム性や演出は総合的に高評価。ARTの転落と純増枚数の少なさが気がかりですが、ロング継続に期待できる仕様なのでギャンブル好き層も打ってくれる新台ではないでしょうか。年末年始商戦を考えると、導入しておきたい新台です。それでも新基準機はまだお客様に受け入れられていない状況なので、台数は少なめをおすすめします。
適正台数は、100台クラスの店舗でバラエティー~3台、200台クラスの店舗で3~5台。予定販売台数は年内25000台、年明け5000台ですが、年末はこれしか新台が無いので完売が予想されます。A+ART機の、先行きがこの機械である程度分かりそうなんですが、市場ではこのタイプを好んで打つ層がまだまだ少ないのが不安なんですよね。
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三木貴鎬
1972 年生まれ。中央大学商学部卒。神奈川県をはじめ、東京都や千葉県などのスロ専で勤務。グループの複数店舗を指揮する統括部長などを歴任し、 2007年に独立。経験を生かしてコンサルタントに転身。2010年に都内にモデル店舗としてスロ専をオープン。現在もパチスロを中心に精力的にセミナー や講演会を行う。