三木流、来年パチスロ業界に起こりそうなことは?

2016.12.30 / 連載

【土曜】三木貴鎬のパチスロ機械選定セミナー

皆さんこんにちは! 133回目になりました。今回は私が独断と偏見で来年起こりそうなことを予想してみます。

まず、2017年は引き続き稼働的にパチスロは苦戦することが予想されます。その理由が5.5号機にあることは間違いないでしょう。多くの方から「5.5号機は何が駄目なのか?」ということをよく聞かれます。コンテンツ、ゲーム性、スペック……etc。要素はさまざまありますが、私が考えるにコンテンツがどうとかいう前に、ベース値の数的規制、メイン基盤管理などによる、ゲーム性の変化が挙げられると思います。

お金は使わなくなったものの、「勝ちへのイメージがわかない」「旧基準機と比較してしまう」など、どの機械も似たような作りになってしまうわけです。従って飽きも早い。機械を扱う側からすれば、貢献稼働が短いから機械代の回収が早くなり、新台効果による集客もなくなるという負のサイクルに落ちいったのが2016年だったように思います。

それを考えると2017年もこの流れが急に変わるとは思えません。また5.9号機でさらなる規制が入ることは明らかで、大幅に上向くことは考えにくいでしょう。しかし、ポジティブに考えるのであれば、機械代を抑えざるを得ない分、出玉に回すことによるお店のイメージアップは図りやすい環境になることは間違いないでしょう。

もはや、ビッグタイトル、ビッグコンテンツの集客力は考えずに、純粋に導入するに値する機械かどうかを判断し、導入する理由がある場合に限り、購入するべきと考えます。従って、ゲーム性が分かるのが市場に出てからと考えるなら、中古導入も一つの立派な戦略です。新台だからというだけの導入理由は「ない」と考える方が合理的です。〝お付き合い〟的な機械購入はリスクが高いと言わざるを得ません。


低貸しに活路はあるのか?

2017年末には旧基準機設置比率が30%という努力目標があることを考えると、もう一段低貸しコーナーが増えていくことが予想されます。しかし5スロに至っては、市場に一定のニーズがあるもののユーザー層自体が増えているとはとても言い難く、ますます苦戦することが予想されます。

コイン単価が下がっている現在で、5スロを打つニーズが高まっている環境ではないのに、新台のニーズだけはますます求められる。一方で機械の出玉性能は低くなっているおかげで「低い投資で勝てる」という5スロの魅力・醍醐味が薄れています。それなのに市場の台数は飽和していく、矛盾した一年になると思われます。

そこで5スロを諦め2スロに切り替える店舗が増えていくことになるでしょう。2スロであればギャンブル性が低い5.5号機でも稼働をさせることが出来るという判断が働くからです。しかしそれによって、収益構造が悪化し、ますます機械が買えなくなります。こうなると今まで以上に高設定を使えなくなるというジレンマに悩まされる年になりそうです。

この負のスパイラルを避けるためには、機械代予算を下げるのが重要なのは一目瞭然です。旧基準機やジャグラーを軸にした営業で、シェア率を下げないための守りの営業が出来るところが生き残るのではないかと思っています。

新台で集客できないとなれば、猛烈な広告宣伝を仕掛ける店舗が出てくることが予想されますが、カジノ法案が可決した今、ますますこの動きを見越して社会の目も厳しくなります。コンプライアンスの重要性はさらに高まる一年になると予想します。

皆様本年もありがとうございました。2017年もよろしくお願い申し上げます!!

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三木貴鎬(みき・たかし)

1972年生まれ。中央大学商学部卒。神奈川県をはじめ、東京都や千葉県などのスロ専で勤務。グループの複数店舗を指揮する統括部長などを歴任し、2007年に独立。経験を生かしてコンサルタントに転身。2010年に都内にモデル店舗としてスロ専をオープン。現在もパチスロを中心に精力的にセミナーや講演会を行う。

【土曜】三木貴鎬のパチスロ機械選定セミナー