トップマーケッター3名が2015年を予言/GA社

2014.11.29 / ホール

11月28日、パチンコホールおよび遊技機メーカーのコンサルティングを手掛けるグローバルアミューズメント株式会社(以下GA社)は東京・渋谷のTKPカンファレンスセンターで「時流預言セミナー2015 」を開催した。

本セミナーはトップマーケッター3名が2015年の市場動向や注力のポイントを語る内容で、講師には元船井総研会長で現在株式会社風土・代表取締役会長の小山政彦氏、ヒューテック株式会社・顧客情報支援部執行役員の福田耕太郎氏、GA社の青山真将樹氏が務めた。

「東京五輪まで好況/ホールは専門店化を」小山政彦

船井総研の代表取締役会長を務めた小山氏は、「世界各国の〝意志〟を読み、グローバルな視点で金融変化を踏まえることが肝要だ」として、各国の国家戦略を解説。その上で「2015年の時流予測」にあたって、得意とする旧暦と熱塩循環について紹介。これは気候予想に関するもので、小山氏は気候と消費活動の相関性を重要視していると持論を展開した。また国内の景気動向については「アベノミクスが継続することを前提に考えれば2019年のオリンピック前年まで景気がいいのだから、今から2016年までは客単価を上げてよい潮流にある。その後は下げて不景気に備えるべき」と指摘。一方、遊技業界に関しては「パチンコホールの業態はまだ総合店(なんでも揃える)の状況にある。専門店化への進みが遅い。いつブティック化するか。そうした変化は必ずくる。低貸し営業の中での細分化などが該当する。これらは大商圏の中では予想できることだ」と競争の中でのさらなる変化を促した。

「月3回の勝ち体験で90%が再来店」福田耕太郎

 顧客情報分析のための各種機器販売と運用ノウハウの提供を事業としているヒューテック株式会社の福田氏は、講座の前段で、同社のCISデータを元に近年の顧客動向について解説。あらためて遊技参加人口の低下と低玉貸し営業の普及、顧客1人当りの投資金額の増加と勝ち率の低下を紹介した。とりわけ「勝ち率」について、「パチンコホールに対して顧客が求める欲求とは〝勝ち体験〟であり、勝つ機会を提供できていないことが、パチンコ店の価値を下げている」と言及。この、「顧客が勝つこと」について、福田氏は同社のデータを示し「顧客が勝つことの意味は、再来店動機につながり、店の繁盛につながる、ということ。勝ち数を分析すると月に3回勝ち体験を得ると、再来店率は90%に上ることが分析の結果分かった」と語った。

本セミナーの本題である2015年予想について、福田氏は「創客が必要だ。パチンコ客はもう増えない。それは手段客(金を得るための)だらけだから。目的客(パチンコ自体を楽しむ)が少ない。創客とは、今いる顧客や休眠している人へのアプローチの事ではない。対象となるのはすべての国民。すると別のニーズが見えて来るだろう」と語り、講座を締めた。

「割れる経営/人気シリーズ機ハズレの可能性も」青山真将樹

青山氏は2015年について、業界内外の種々の定量情報を元に解説。その上で、各自が立地する競争環境を想定した場合①「1番店と強い2番店は効率改善により総取りできる年」、②「普通の2番店と3番店は守りに軸足を置き、体力を保ちながら、年に数回〝入魂の仕掛け〟で競合に一撃を与えて、均衡を保つ年」、③「弱い3番店と4番店以下は、己を見失わず、5年間潰れないためには何をすればよいかを着手する年」の3区分にホールが割れると示唆。パチンコ営業の効率改善を考える上で、遊技機に対する機械代投資効率の目安について、具体的な粗利に占める投資割合と投資倍率を、前述の3区分ごとに示し、参考とするよう薦めた。

また予言として、2015年中に起こり得るショックとして、実績もあり次機種への期待も高い高コイン単価AT機のシリーズ機と、企画・開発力に優れ、例年販売台数で1位を争うパチンコ機メーカーの遊技機について、それぞれ環境の違いやメーカー間の競争力変化によって、一概に成功率が高いと言えなくなっていると指摘。盲従した結果、成果を得られなかった場合のショックは、投資効率を下げるのため注意が必要だと促した。

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