なくてはならないが、新台で業績は回復しない

2019.06.01 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(216) 業績回復にウルトラCはない

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。6月に入りました。5月の後半はかなり厳しい数字だったことで「このままでは拙い」と思っていることでしょう。しかしイベント規制もありなかなか打つ手がない状況です。

そんな中、話題機種の発表があると「この機種の導入で一気に挽回、稼働回復を図ろう」と意気込んで導入を決断したりします。しかし、結局導入後も業績に大差はなくまた同じ毎日が続き、残ったのは自店の体力的に厳しい機械代の支払いだけというのがパターンです。そしてその機械代を払うために仕方なくシメ営業をしなければならず、いつまでもこの悪い流れを断ち切れない状況が続いていると思います。

結局、現在のパチンコ店の営業では「最新機種で一気に挽回」は無理な話なのです。

しかし、入替をしないとなれば今よりもさらに業績が落ち込むことは十分、予見できます。入替自体は必要なのです。ただ、ここでしっかりと考えるべき重要なことは「費用対効果」、つまり「かけたカネに対しての回収効果はどのくらいあるのか?」ということです。

業績の厳しいお店では、そもそも最新台を導入しても近隣競合よりも早く稼働が落ちていくでしょう。それは遊技機に責任があるのではなく、自店に責任があります。なぜなら同じ最新台の導入のはずだからです。

そうならば、最新台を入れて一気に挽回というような高望みをせず、まずは比較的安価な中古だけの入替が効率的です。この入替の考え方は、
「現状の平均稼働+1,000発でいい」
です。これならグッと遊技機選定や機械代のハードルも下がると思います。現状よりもほんのちょっとだけ良くなる入替をこまめに繰り返していくのです。

一足飛びにいきなり良くなろうと思わないことが必要です。何事にも順序、段階があります。実を収穫したければまず種をまき、水をやって育てなければいけないのです。何も準備をせずにいきなり果実はなりません。何のトレーニングもせずにいきなりマラソン完走はできないのと同様に、最新台を導入してもそれを生かすべく土壌がなにもできていないなら、まずは小さなことから始めるべきです。

業績回復のウルトラC、秘策はありません。少しずつ少しずつ、一歩一歩階段を上りましょう。


(お知らせ)

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。著書に「ジリ貧パチンコホール 復活プロジェクト」(幻冬舎)がある。

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