【金曜】藤崎敏郎「部下の一生を左右する一言」

2015.12.18 / 連載

藤崎敏郎の人材育成セミナー
第76回「部下の仕事のフィードバックのやり方のコツ」

部下が例えば、会議などで発表をしたとします。どのような心構えでフィードバックをしますか。もしくは指導をしていますか。この時の上司の言葉しだいで部下はやる気を出します。反対に退職を決意するケースもあります。例えば、初めて部下がミーティングに出た時に、何らかの意見を言ったとします。それに対して、言い方や態度、準備、心構えなどの課題に上司は気づくことができるでしょう。その時の対応の仕方は、あなたは次の三つのどのタイプの上司でしょうか。

①    自分の気づくことは全部言ってあげた方が本人のためなので、課題を具体的に指導する。
②    課題と良いところの両方を相手に伝えて、自己改善を求める。
③    良いところだけを相手に伝える。

答えは、どのやり方も正解なのです。大切なのは、部下を見ることです。能力はもちろん、現状のモチベーションの大きさも考慮しましょう。ふだんのお互いのコミュニケーションも大切な要素になります。人は信頼していない人から言われたことは、耳に入らないのです。特に厳しい言葉は聞いていません。

注意しないとならないのは、①のタイプの上司かもしれません。なぜかと言うと、部下が内容を理解して聞いていないことや、言うだけではできないことが分からないで、自分のレベルで言いたいことを言って自己満足する上司が多いからです。できるようにするのが上司の役割ですから、言ったことは指導責任があると理解して指導しなければなりません。言うだけでなく、OJTで指導することが欠かせないのです。

②が理想と思われるかもしれません。ところが、実体験では、③のやり方の効果が大きいケースが多いです。たくさんの課題に気づいたとしても、初回のミーティングでは言わないで部下の良いところだけを認める言葉をかけるのです。「しっかりと発言をしたこと」「時間厳守をしたこと」「他の人の発言をうなづきながら聞いていたこと」などです。

大切なことはモデルがいるかどうかです。ミーティングの参加者の中に手本となるモデルがいれば、本人の良いところだけを言うだけでモデルを見て自己改善のポイントに気づくものです。

今回はミーティングの事例にしましたが、どのような仕事の指導をする時も同様のことが言えるでしょう。特に初めての仕事のケースの上司のフィードバックは、部下の一生を左右するくらい重要なことを肝に銘じておいてください。ところで、良いモデルがいないという方がいたとしたら、その時は自分がモデルになることです。これも上司の役割だからです。

 今回の格言は
「部下への仕事のフィードバックは良いところを見る!!」です。

 

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株式会社パートナーズリンク社長 藤崎敏郎

元 セブン&アイグループの本社スタッフ。その後パチンコチェーン店に入社。機械担当部長、営業部長として勤務する。その後、人事コンサルタントとし て独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでに教えた受講者は10万人以上。業界誌にも複数連載し、ナンバー1社員研修 講師と言われている。取得資格:キャリアコンサルタント、販売士1級、社労士、米国NLPマスタープラクショナルコース修了、トレーナーコーチ、メンタル ヘルスマネジメント2級、宝地図ナビゲーター、レイキティーチャー、エネルギーマスターなど

http://p-link.co.jp/index.html(ホームページには各誌の書いた原稿を掲載中)

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