【連載】第6回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2014.06.04 / 連載

コンプライアンスって、ホームページ上だけですか?

4号機時代はストック飛ばし、今ならAT機やART機のペナルティ仕込みといったホール側のイジワル(筆者的には「不正」に近いイメージ)について前回書きましたが、出玉制御をサブ基板で行っているパチスロはそんなことが簡単にできてしまうんですよね。プレイヤーから見えないところで割を下げることができる以上、ホール側の良心を信じるしかないという前提ありきという状況なんです。だからこそ信頼できるホールかどうかが大事になるんですが、4号機時代には「当店はストックを消しません」なんて貼っていたところもあるくらいですから、そんな当たり前のことを自慢できるのが体質なんだなと改めて思わされます。

そして今では、朝イチ台なのに「ペナルティ中です」なんて表示されている。こんなのが散見できるようでは、ファン側としてホール側の良心なんか信 じられないというのが正直なところ。立ち入り検査とかでかなり減ったとはいえ、ホール側は計数器の不正なんかもやっていたわけですから。それなの に企業サイトを見ると「コンプライアンスを重視します」なんて、失笑しちゃうようなことが誇らしげに書いてあったりするんです。前回、ペナルティを仕込みまくっていたホールも例に漏れずですが、さらに株式公開をめざしますなんて、よく言えたもんだなと。

それなりの規模があるホールの経営法人には、どこも手の込んだ企業サイトがあって、素晴らしい理念が書いてあります。また社会貢献も積極的に行ってますよと、これだけ見ればどんな立派な会社なんだろうっていう感じですよね。でも現場でやっていることは、ファンの信頼を損なうことばか り。これって何に似てるかといえば、何かと批判を集めているネットワークビジネスの会社と同じだったりして。後ろめたいほど、体面を繕うというこ とでしょうか。

規制の抜け道を探して、脱法まがいの営業を行う。最近では広告宣伝規制への対応でホールがどこまで遵法精神があるのかがよくわかりまし たが、そういったことの積み重ねがファンからの、そして社会からの信頼を失うことになっているんだということを理解すべきだと思います。

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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵

学生時代にパチンコ・パチスロの魅力に取り付かれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるず ると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続 中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp

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