【連載】日本進出を狙う海外カジノ〜その5〜

2014.08.12 / カジノ

【第5回】メルコクラウン・エンターテイメント

メルコクラウン・エンターテイメントは、マカオのローレンス・ホーが会長を務める「メルコ(新濠國際發展)」と豪州のジェームズ・パッカー率いる「クラウン・リゾーツ」のジョイントベンチャー。ホー、パッカーともに富豪の家に生まれたサラブレットで、両者が共同会長に就任して2004年に設立された。同社は「シティオブドリームス・マカオ」、「アルティラ・マカオ」などをマカオで運営しているが、今後は海外への進出を積極的に進めていく方針で、現在も複数のプロジェクトが進行中だ。

マカオのカジノ王、スタンレー・ホーの息子であるローレンス・ホーは、1910年に設立された香港最古の企業のひとつ「メルコ」を父から引き継ぎ、ゲーミングやレジャー事業を手がける。その事業は香港やマカオ以外にも中国、フィリピン、カンボジア、ラオスなどアジア各地に及ぶ。現在は、極東ロシアの沿海地方・ウラジオストク近郊で進められている娯楽施設開発事業に投資を行っており、今年中にもカジノリゾートを開業する予定だ。一方、クラウン・リゾーツのパッカーは、豪州のメディア王であった父の事業から業態を大きくシフト、現在はリゾート開発に専念する。豪州で「クラウン・メルボルン」「クラウン・パース」、英国・ロンドンで「クラウン・アスピナル」を運営。今ではオーストラリア證券取引所の上場企業のトップ50に入る優良企業となっている。ローレンス・ホーと提携して以降も、単独での海外展開にも積極的で、米国やカナダ、スリランカなどでのリゾート開発計画を持つ。また、豪州国内においても、新たにシドニーでVIP客専用のリゾート開発に着手している。

二人のサラブレッドによる合弁企業は、日本進出にもたいへん意欲的で「日本に5000億円規模の投資を行う」と口を揃える。日本でのIR開発に関しては日本文化との融合を標榜しており、その一環として東京藝術大学へ約10億円の寄付を行うなど広報活動にも余念がない。ローレンス・ホーはメディアに対するインタビューで、「日本IRの建設候補地は東京か大阪が好ましい」とし、日本の提携企業に関しても「柔軟な態度で望む」と語っている。過去数年間にわたり、不動産やインフラ関連企業、商社など、様々な日本企業と話し合いを行ったとも報じられている。現状、マカオの業績は好調で負債も少ないため財務内容は他のカジノ運営企業に比べ良い。日本市場参入レースは米系企業などライバルがひしめくが、IRの運営実績、財務状況ともに申し分ない。メルコクラウンは、アジア企業として日本進出を果たす有力企業のひとつと言える。

同社の現在進行中のプロジェクトとしては、マカオのコタイ地区に映画をモチーフとした新リゾート「スタジオシティ」を建設中。また、フィリピン・マニラにも同社初の海外プロジェクト「シティオブドリームス・マニラ」が2014年中の開業を目指し建設中だ。

■主な運営施設
 [マカオ]シティオブドリームス・マカオ/アルティラ
 [建設中]スタジオシティ(マカオ)/シティオブドリームス・マニラ(フィリピン)
■売上規模(2013年)/50億8700万米ドル(約5200億円)
■営業利益(2013年)/8億3900万米ドル(約860億円)
■従業員数/約11,900人

※写真はマカオにある「シティオブドリームス」と建設中の「スタジオシティ」メルコクラウン・エンターテイメント

メルコクラウン・エンターテイメントは、マカオのローレンス・ホーが会長を務める「メルコ(新濠國際發展)」と豪州のジェームズ・パッカー率いる「クラウン・リゾーツ」のジョイントベンチャー。ホー、パッカーともに富豪の家に生まれたサラブレットで、両者が共同会長に就任して2004年に設立された。同社は「シティオブドリームス・マカオ」、「アルティラ・マカオ」などをマカオで運営しているが、今後は海外への進出を積極的に進めていく方針で、現在も複数のプロジェクトが進行中だ。

マカオのカジノ王、スタンレー・ホーの息子であるローレンス・ホーは、1910年に設立された香港最古の企業のひとつ「メルコ」を父から引き継ぎ、ゲーミングやレジャー事業を手がける。その事業は香港やマカオ以外にも中国、フィリピン、カンボジア、ラオスなどアジア各地に及ぶ。現在は、極東ロシアの沿海地方・ウラジオストク近郊で進められている娯楽施設開発事業に投資を行っており、今年中にもカジノリゾートを開業する予定だ。一方、クラウン・リゾーツのパッカーは、豪州のメディア王であった父の事業から業態を大きくシフト、現在はリゾート開発に専念する。豪州で「クラウン・メルボルン」「クラウン・パース」、英国・ロンドンで「クラウン・アスピナル」を運営。今ではオーストラリア證券取引所の上場企業のトップ50に入る優良企業となっている。ローレンス・ホーと提携して以降も、単独での海外展開にも積極的で、米国やカナダ、スリランカなどでのリゾート開発計画を持つ。また、豪州国内においても、新たにシドニーでVIP客専用のリゾート開発に着手している。

二人のサラブレッドによる合弁企業は、日本進出にもたいへん意欲的で「日本に5000億円規模の投資を行う」と口を揃える。日本でのIR開発に関しては日本文化との融合を標榜しており、その一環として東京藝術大学へ約10億円の寄付を行うなど広報活動にも余念がない。ローレンス・ホーはメディアに対するインタビューで、「日本IRの建設候補地は東京か大阪が好ましい」とし、日本の提携企業に関しても「柔軟な態度で望む」と語っている。過去数年間にわたり、不動産やインフラ関連企業、商社など、様々な日本企業と話し合いを行ったとも報じられている。現状、マカオの業績は好調で負債も少ないため財務内容は他のカジノ運営企業に比べ良い。日本市場参入レースは米系企業などライバルがひしめくが、IRの運営実績、財務状況ともに申し分ない。メルコクラウンは、アジア企業として日本進出を果たす有力企業のひとつといえるだろう。

同社の現在進行中のプロジェクトとしては、マカオのコタイ地区に映画をモチーフとした新リゾート「スタジオシティ」を建設中。また、フィリピン・マニラにも同社初の海外プロジェクト「シティオブドリームス・マニラ」が2014年中の開業を目指し建設中だ。

■主な運営施設
 [マカオ]シティオブドリームス・マカオ/アルティラ
 [建設中]スタジオシティ(マカオ)/シティオブドリームス・マニラ(フィリピン)
■売上規模(2013年)/50億8700万米ドル(約5200億円)
■営業利益(2013年)/8億3900万米ドル(約860億円)
■従業員数/約11,900人

※写真はマカオにある「シティオブドリームス」と建設中の「スタジオシティ」

クラウン・リゾーツ, ジェームズ・パッカー, メルコクラウン, 日本進出を狙う海外カジノ