【水曜】第111回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2016.06.14 / 連載

第111回 行政の方針転換はこの業界だけではない?

経営していた芸能事務所に所属していた女性を実際の性行為を含むアダルトビデオ(AV)の撮影に派遣したとして、警視庁が11日、労働者派遣法違反容疑で大手AVプロダクションの元社長を逮捕したというニュースがありましあ。

さらにAVメーカーも捜索されたと報じられていますが、これにはちょっと驚かされました。そもそもAV業界は警察の天下り先として有名ですし、ましてや捜索されたAVメーカーは大物政治家がバックにいると噂されているグループ(最近、パチンコ業界でも知名度を上げているようです)の中心的存在。いわばズブズブの関係というのが暗黙の了解だっただけに、わいせつ絡みの容疑ではないものの、ここまで本気でやってくるとは思いませんでした。

警察の天下りを数多く受け入れたりと、少なくとも外部からはズブズブな関係に見られるであろうパチンコ業界も前述のAV業界と同じような構図にあるでしょう。そしてこれまで半ば黙認されていたと思われるくぎ問題が急にクローズアップされたりと、パチンコもAVも行政側の方針がなんだか変わりつつあるのかと思わざるを得ません。

AVの場合には出演強要被害を人権問題として弁護士が問題提起する等の影響が少なからずあったのは想像に難くありませんが、パチンコにおいてもくぎ問題が一般紙で報道されたり国会で質問されたりと、社会問題化しつつあるからこそ、行政側としてもこれまで通りの「お目こぼし」はできないということになるのかなと。AV業界で逮捕者が出たように、先の連休中にはくぎ曲げでの書類送検もありました。これが行政からのメッセージだとすれば、状況が改善されない限りは最悪検定取り消しや許可取り消しといった処分が下される可能性もゼロではないでしょう。

AVもパチンコも、その根幹がグレーのまま存続している業界です。どちらも行政側がノーだといえばそれで終わりになるんだという危機感を常に持つべきだと思いますし、グレーな部分以外はしっかりと突っ込みどころがないようにすることが必須なはず。そう考えれば、まずひとつの山場である年末へ向けて何をすべきかハッキリしてくるのではないでしょうか。

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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵(きなくさぞう)

学生時代にパチンコ・パチスロの魅力に取りつかれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるずると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp

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