【水曜】第103回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2016.04.19 / 連載

第103回 地震直後でも打ち続ける気持ち

今回の震災において亡くなられた皆さまのご冥福をお祈りするとともに、被災された皆さまには心よりお見舞い申し上げます。

誰でも情報を発信できるネット時代。地震直後のホール内の様子もアップされていましたが、床に玉やメダルが散乱するなか、それをかき集めている人や打ち続けている人がいるのには驚きました。

自分の出玉、また大当り中やAT・ARTといった有利区間を無駄にしたくないという気持ちは当たり前のことだし、現地がどれくらいの揺れだったのかは分かりませんが、その人が大丈夫だと判断したとしたら避難せずに遊技を続行する気持ちは良く理解できます。でも、もしその直後に建物が崩壊したらと考えればどんな状況でも建物外に避難すべきですし、それを誘導指示するのはやはりホール側の責務であるはず。

その際は当然、当たっている台をどうするのか、出玉をどうするのかといった補償云々の話になるかと思います。多くのホールには天災等で補償は行いませんと貼りだされてありますし、だからこそ今回の動画で見たように大きく揺れた直後でも打ち続けなければと考えるのは、ファン側としては当たり前の行動ではないでしょうか。

それまでさんざん突っ込んでの大当りがパーになってしまうのは、大切なお金を賭けているからこそ避けたいですし、状況次第ではひょっとしたら命を心配する以上に重視してしまいがちになるやもしれません。そんな人に対し、すぐに避難してくれといってもなかなか腰は上がらないでしょう。そうであるならば、補償する旨をしっかりファンに伝えて欲しいですし、それがスムーズな避難にもつながるのではないのかなと思います。補償はトラブルを生む要因にもなるし、「一切できません」というのがホールにとってのベターであることは間違いありません。でも、そのせいで逃げ遅れたなんてことになるとしたら、ベターであってもベストではないんでしょう。

震災はいつどこであってもおかしくありませんし、建物の耐震性、消防設備や避難経路は法令で厳しく明文化されています。でもファンがその通りに行動するとは限らないからこそ、ホールは安全を最優先していただきたいものです。決してファン側が不利にならないように。

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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵(きなくさぞう)

学 生時代にパチンコ・ パチスロの魅力に取りつかれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるずると続けるしかないなと (やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続中。メールアドレ ス:kusazo@yahoo.co.jp

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