「パチンコ撤去リスト」事実上封印の噂/業界団体

2015.12.04 / ホール

問題は資金、上場、社会問題化・・・

当局の指導により日工組が作成した、いわゆる「パチンコ撤去リスト」が事実上封印された可能性があるとの噂が流れている。関係筋の話によると、全日遊連加盟の一部ホールが「パチンコ撤去」に猛反発し、業界全体を揺るがす大騒動になる可能性が出てきたためリスト自体をお蔵入りせざるを得なくなったというのだ。

これまでの流れを整理すると、11月6日に警察庁は全日遊連など5団体を招集して、「8月までの調査によれば、約6割が一般入賞口に玉が全く入らず、残り4割も10分間に10個も入らないとのことであり、検定機と同性能のパチンコ遊技機 が1台も発見されていない」と指摘し、「業界を挙げた回収に最大限協力するとともに、可及的速やかに該当型式に係る遊技機の撤去を推進してい ただきたい」と要請した。これに先立ち、日工組はメーカー側にも責任の一端があることを警察庁に対して報告している。

つまり、業界全体として「検定機と同性能のパチンコ遊技機」以外を撤去していく方向で進んでいたのである。事実、日工組では約100万台に上るとみられている撤去すべきパチンコリストが完成しているとの情報もある。またそのリストを12月1日に発表する予定だったという情報も編集部に流れてきていた。

しかし、ホール側がしぶり出したのである。問題はメーカー側の買い取り価格と、撤去後に導入する代替機(および導入スケジュール)、それらの前提となる資金力の弱さも関係しているとみられる。ホールの言い分は「自分たちに瑕疵はないのに、なんで撤去や代替機、お金の問題で悩まねばならないのか」というところだろう。一部では訴訟も辞さないと言っているホールもあるという。そんなことになれば、ヤフーニュースなどで取り上げられ社会問題化する。パチンコ業界とともに当局もバッシングに曝されることになる。

また、上場しているメーカーは株価・株主問題も抱えている。「撤去リスト」の発表は当然株価を大きく変動させる。また、「撤去リスト」は違法性のある台を販売していたことを事実上認めることにもなり、株主は代表訴訟を起こす可能性も出てくる。

結局、警察としては3月から適応される新基準機の開発を急がせ、それを導入して順次撤去をすすめていく方向で動かざるを得なくなったというところのようだ。

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