MGMチャイナのホー氏「最大の試練は労働力不足」

2014.10.31 / カジノ

10月28日、MGMチャイナのパンジー・ホー共同会長は、今後マカオの観光産業とカジノ産業はさらに深刻な労働力不足に陥るとの懸念を表明し、政府に対して海外労働者に対する規制緩和を求めた。。

マカオで開催された国際会議「世界観光経済フォーラム」で講演を行ったホー氏は、メディアに対して「労働力の問題はマカオに課せられた最大の試練」であるとし、現在も「集客キャパシティを満たす充分な労働力を確保できない」と指摘した。マカオ政府は、域外からの労働者の流入に対して厳しく規制を行い、カジノのディーラー職についてはマカオ住民以外の就労を禁じている。これには住民の失業率の上昇を防ぐ政府の狙いがあるが、ホー氏は住民生活と企業活動の双方にメリットのある「調和とバランスの良い政策への転換が必要」として、政府に対して域外労働者への規制の緩和を求めた。マカオ政府の統計では、今年第3四半期の失業率は1.7%と極めて低い水準だ。マカオのカジノ運営各社は、現在新規リゾートの建設を急ピッチで進めており、2015年から相次いで開業を予定する。各社にとって、これら新規プロジェクトの建設や運営に関わる人材の確保は急務だが、域内に充分な余剰人材は残されていない。さらに現在、現職のカジノ従業員たちは、労働環境や待遇の改善を求めて企業に対する反発姿勢を強めている。

今年半ば以降、カジノのVIP収入の減少、カジノのメインフロアの全面禁煙化、香港の政情不安など、立て続けに大きな試練に直面するマカオ。政府からは、ホー氏が「最大」と懸念する労働力問題への解決策は、今のところ示されていない。

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