パチンコ業界女子会〜女性から見た業界のコト、教えてくれませんか?〜

2025.11.17 / ホール

パチンコ業界未経験でPiDEAに入社した新入社員の佐藤です。見習い編集者として、日々業界で働く皆さまを取材させていただいておりますが、正直言ってまだまだこの業界の魅力を知り尽くせていません。特に、女性から見た業界や、お仕事への想いを直接お聞かせいただきたい! そんな想いから、今回PiDEA主催の「パチンコ業界女子会」を企画しました。 


 来たる10月7日、上野にあるPiDEA自社スタジオにて「パチンコ業界女子会」を開催。当日は、事前ご応募の中から法人・エリア・年齢・業界歴・役職問わず、5名の女性たちにお集まりいただきました。

 男勝りな労働環境とも言われるこの業界で、日々奮闘している女性たち。会は終始和やかな雰囲気の中で進行しつつも、ワークライフバランスやセクハラ問題などといった切実な課題に及ぶと、一転してトークは熱を帯びました。普段はなかなか聞けない業界の女性たちによる、ざっくばらんな「生の声」をお届けします。

 

 

 

─自社の働きやすいなと感じるところはどこですか? 

中本:産休・育休をとった人が、帰ってきやすい環境ができているところですね。うち(オメガ寺町店)の店長は特に意識して取り組んでくれています。1番多くて、3回産休・育休を取ったコもいますが、毎回ちゃんと「うちで働きたいから」と戻ってきてくれています。
なーちゃん:女性限定でバースデー休暇というものもあります。誕生日を自分の好きなように過ごせるのでありがたいです。同様に、既婚者の男性にも「家族で過ごしてね」という趣旨の休暇がありますね。ただ、独身の男性は使えない制度というのが難点です(笑)。

中川:うちも有給にはなるのですがバースデー休暇のような形で、誕生日にお休みをとりやすい制度になってます。一応うちは独身男性も対象です(笑)。
鈴木:バースデー休暇ではないんですが、リフレッシュ休暇というものが有給とは別でありまして、勤続年数に応じて日数がどんどん増えていく形です。この休暇は有給よりも優先して取ってというものなので、私も過去に旅行に行ったりしました。
にこる:おしゃれについてかなり自由がききます。働きながらでもネイルや髪色も楽しめるので嬉しいですね。ただ、逆に男性の身だしなみについては、髪色やピアスだったりはもちろんのこと、マスクの色も白じゃなきゃダメ! といったような厳しいルールがあるので、女性からしても、もう少し緩和されてもいいのかなという気はしますね。 

 

─業界で働く女性ならではのお悩みはありますか?
にこる:ホールの巡回中に男性のお客さまからボディタッチをされるのが悩みです。年配の方なのですが、やっぱり世代的にもセクハラに対する意識が低いんです。これくらい当たり前みたいな……。こういう悩みは男性スタッフには相談しにくいですね。毎日来てくれるような常連さんでもあるので尚更です。

鈴木:結構あるあるですよね。私も過去にアルバイトの⼥の⼦から、特定のお客さまのボディタッチがひどいと相談を受けたことが何度もありました。お客さまが無⾃覚の場合、 普通のやり⽅だとなかなか納得してくれないことが多いので、「ただ注意しに⾏く」というよりこれでもか! というくらい積極的にコミュニケーションをとりに⾏ってました。例えばですけど「ちょっとお話いいですかぁ〜? 今リーチかかってますけどぉ〜」と、台越しに映り込みに⾏ったりだとか、「お客さん、私には⼀切触らないですよね。人選んでやってるんですか?(笑)」なんて言ったりしてましたね。やや遠回りになりますが、 ⼼理的な壁が取っ払われると、たとえ⼥性からの指摘でもすんなり受け⼊れてくれるようになるので。とはいっても、あまりにひどいと直球ストレートで注意してましたが(笑)。私の場合、 同性なので⽇常会話の流れとかでも相談しやすかったと思いますが、 デリケートな話なので男性にはなかなか⾔い出しにくいことでもあると思うんですよね。特に未経験・⼊りたての⼦には気にかけてあげてほしいです。 対応をずるずる後回しにしてしまうと、 離職の原因にもなりかねませんから…。 
なーちゃん:女性スタッフからお客さまへの指摘は、男性スタッフからの指摘よりも受け入れてもらいにくいですよね。ホールのトラブル対応時も、同じ説明をしているのに男性スタッフだとすんなり納得してもらえるケースが多いです。なので時には頼らせてもらってますね。

 

─この機会に男性スタッフさんに伝えたいことはありますか。 

中本:インカムで変なこと言うのやめてもらいたいですね。男性同士のノリだと理解はしていますが、ギャグとか下ネタとか。全員聞いてるので。
一同:わかる〜〜〜〜(笑)。
鈴木:反応したら「いちいち目くじら立てるなよ」っておちょくられるし、ほっといたらほっといたで「怒ってる〜」って言われるし。小学生か(笑)。
中川:めちゃめちゃわかります(笑)。私は業界歴15年ですが、それでも昔に比べると本当に変わったなと感じます。特にセクハラに関して、男性たちは相当気を遣ってくれているんだなと伝わってきますね。この前、髪を切って出社しても誰にも何も言われない時があって。仲のいい男性社員に聞いたら、「それは、言ったらセクハラになっちゃうってみんな思ってるからだよ」と言われてびっくりしました。「似合うね〜」とか「いいね〜」みたいに褒めることすらハラスメントで訴えられる可能性があるとのことで……。あれはちょっと寂しかったですね(笑)。良い時代にはなりましたが、過剰に気を遣われすぎるのもしんどいなと思うこともありますね。 

 
にこる:気を遣わせちゃうなって思って逆に言い出しにくいこともありますよね。
中川:女性特有の体調不良なんかは男性たちが気を遣ってくれる社会になったからこそ、逆に「私を特別扱いして」って言ってるように聞こえるんじゃないかなって遠慮しちゃいます。 

 

 

 ─今後のキャリアについてどう考えていますか。 

なーちゃん:私は元々パチンコが大好きでこの業界に入りました。アルバイト時代を含めると業界歴は10年になりますね。なのでこのまま自分の好きなこの業界で働きながら、プライベートではパチンコをたくさん打って(笑)、ステップアップしていきたいと思っています。
にこる:前は社員になりたいという夢がありましたが、今はこのままでいいと思っています。自分だけではなく、女性ってやっぱり妊娠・出産をしたら仕事はどうなっちゃうんだろうって不安があると思うんです。だったら雇用形態に縛られず自分らしく働ける方がいいなって。
中川:そうですよね。やっぱり社員になるとワークライフバランスを保つのが難しいんじゃないかっていう不安は付き物だと思います。早番と遅番で生活リズムが崩れたり、新台入替の時なんかは深夜まで、最悪朝まで残業なんてこともありますもんね。
鈴木:私も新台入替時、明け方ホールの床で大の字になったのを思い出しました(笑)。例えば社員になったその先で女性店長を目指すとして、妊娠・出産やその後のワークライフバランスまで考えるとなると今のままでは相当ハードルが高いと思います。店長が抜けても大丈夫なように副店長をはじめ、その下を手厚くするなり、制度を整えていかないと、女性に限らずそもそも役職につきたいと思う若い人自体減っていく一方です。「社員なんだから当たり前じゃん」と休日にまで業務を強いられることだってこの業界ではあるあるだと思います。上の人たちは自分がそうやって働いてきたから、とついやってしまっていると思いますが、そういう古い感性の人が圧倒的に多いというのは大きな課題です。
中本:パチンコ業界って「人が少ないから忙しくても仕方ない」という風潮がまだまだある気がします。すでに1人ひとりの業務負担が大きいのに、今以上に忙しくなって、大きなプレッシャーもかかり、さらに男性に埋もれず頑張っていけるかと考えると、正直あまり上を目指そうという気にはなれないです。

鈴木:一緒に働いてきた女性の中には、上を目指したい人もいれば、そこに興味がない人もいます。その中で、 潜在能力があるのに「自分には無理だ」とどこかで線を引いてしまう人も少なくないと感じてきました。私は今、係長という役職に就いていて、社内の女性では現状最も上の立場になります。これまで弊社では、女性が課長まで昇進した前例がありません。だからこそ、まずはその壁を越えることを一つの目標にしつつ、そこで終わらせるのではなく、さらに記録を更新していきたいと考えています。 自分が前に進んでいる姿が、誰かにとって「もしかしたら自分にもできるかもしれない」と自分の可能性を信じてあげる種になれたら嬉しいですね。そう言うからには、働き方や環境について、 女性目線でも見直していく必要があると思いますし、 古くからの慣習にもっとメスを入れていかないといけない。 中小企業だと「それは大手だからできることだから」 と言われることもありますけど(笑)。それでも少しずつ改善していかないと、挑戦したい人が挑戦できる状態にはならないので、そこも含めて進めていきたいなと思っています。

にこる:分かります。働き方やコンプライアンスについてこれだけ見直されている時代で、中小企業だから変えていくのは難しいと言われるのはあまり納得がいかないですよね。もし私が「大手だから」って言われたらこう言い返します。「今令和ですよ」と。 

 

あとがき

業界で頑張っている女性たちから、各法人の魅力や、業界ならではお悩み、女性の少ない職場環境だからこそぶつかる壁などここには書ききれないほどたくさんのお話を伺うことができました。頼もしい女性の先輩たちと実際にお会いして、楽しくも、時にはアツくなれる時間を共に過ごせたこと、業界初心者の佐藤にとって、とても貴重な経験となりました。今回の女子会を通して、他法人の女性たちと悩みを共有できたり、励まし合うことができてよかったというお声もいただくことができ、ぜひ第2回目の業界女子会も開催できたらと考えております。参加ご希望の方、PiDEA公式XまでDMお待ちしております。 

ご参加いただいた5名の女性たちに感謝を込めて。by編集部 佐藤

 

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