大手法人機械対策課SH@CKの新台講座「P真花月2」
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【月曜】大手法人機械対策課SH@CKの新台講座
今週は4月20日導入開始予定「P真花月2 夜桜ver」(SANKYO)全国8,000台予定
2018年2月の新規則施行後から数回にわたり内規緩和が行われてきたが、それまで許されていたものを再度認めただけの文字通りの〝緩和〟でしかなく、パチンコ史的に新たなものではなかった。
しかし今回の解釈基準の変更は過去にはない、劇的な変化をおこす可能性を秘めている!
そして4月20日週に登場する機種には、本機「P新花月2」を含め新解釈基準で開発された機種がいくつか存在する。すでに6機種程度は適合されているので、今後も続々と市場に投下されていく予定であり、新たなジャンルとして認識を持っておく必要がある!
その中でも一番に認識しておかなければいけないのは遊タイムと言われる、いわゆる救済機能の搭載についてだ。
細かな説明は割愛するが、この「遊タイム」はスペックにより大きく異なることを知っておくべきであり、大きく分けて2つのポイントを押さえておけばおおよそ問題ないだろう。
まず1つは規定回転数到達時に確率変動になる訳ではないという事。あくまで変更されたのは電サポ作動契機であり、確変突入の条件は変わっていない。
つまり規定回転数に到達しても低確率のまま電サポの恩恵を受けてベースが高い状態で大当り目指せるだけで、その電サポ作動回数は大当り分母の約3.8倍までの上限があるため〝天井到達=大当り確定〟ではない。
ただし、1種2種のような抽選図柄により小当り確率が変化する機種では電サポ作動=特図2消化なので確変と同一状態となる事から当選濃厚の状態を作り出すことも可能だ。このように1種2種では実質的なRUSH状態突入やSTについては大当り時に確変突入が確定されたりと、スペックによっては通常時よりも優遇されることも可能だろう!
そしてもう1つのポイントは発動する回転数について。パチスロのように自由に設定できたり、複数の振り分けを持つことはできず、「大当り分母の2.5倍~3倍の回転数の間で1つ」が条件となっている。
大きくこの2点を抑えておけば問題ないだろう。
スペック
そんな「遊タイム」を搭載した本機のスペックは約1/199.8のライトミドルSTタイプとなっている。
基本スペックを確認してみよう。
基本スペック | |
通常時大当り確率 | 約1/199.8 |
確変時大当り確率 | 約1/79.8 |
確変仕様 | STタイプ |
ST突入率 | 100% |
ST回数 | 120回 |
ST継続率 | 約72% |
ST中SA | 約12.1 |
遊タイム発動条件 | 通常回転500回転消化 |
遊タイム終了条件 | 突入より759回転消化 |
遊タイム中SA | 約43 |
時速出玉 | 約9,300個 |
下限算定値ベース | B23 |
大当り振分(特図1・2共通) | |||
ラウンド数 | 出玉(払出) | 移行状態 | 振分 |
10R | 約1,200個 | ST確変 | 25% |
3R | 約720個 | ST確変 | 50% |
3R | 約360個 | ST確変 | 25% |
いたってシンプルな100%突入のSTタイプで「遊タイム」搭載機としては、より新機能が際立つ作りとなっている。
メインのスペック仕様は上記を確認してもらうとして、特筆すべきは「遊タイム」発動の規定回転数、通常確率での消化500回転だ。
ただ、注意しなければいけないのは朝一リセット後以外のデータランプ回転数表示で、たいていのランプがSTの回転数も表示するため、ST120回+通常500回で見た目上は620回転となる。
そして「遊タイム」中は通常確率のままではあるが、消化速度SA40と非常にテンポ良く消化する事が出来る!ただし遊タイム759回転消化後は電サポが終了し、通常状態へと戻って以降は青天井の抽選状態となるので注意が必要だ。
演出
シリーズ機を踏襲し、和をモチーフにしたシンプルな演出となっている。
通常時は「海シリーズ」の様に図柄のスクロールがメインとなっており、高信頼度予告となる「鯉昇り」演出はさながら「魚群」の立ち位置といえる。
新機能となる「遊タイム」突入前には、発動までのカウントダウンが100回転前から一定間隔で表示されるので、退席を若干緩和する仕様となっている!
ポイント
本機「P真花月2 夜桜ver」の訴求ポイントはスペックとなるだろう!
コンテンツの訴求に関しては、過去シリーズ実績もあるもののシンプルな作りである事を訴求する程度で問題ないだろう。
なにより訴求しなければならないのはスペックであり、一番注意すべきは「遊タイム」をハイエナされないための情報浸透だ。
設定以上に非常に取扱の難しい機能で、実際の展開次第では逆に業界へ悪影響を与える可能性もある事を、使う側となる我々ホールが配慮しなければならない。ただしパチスロでの天井表記などで指示処分が出された地域もありデリケートな問題でもあるので、本機というよりは「遊タイム」自体の特徴として訴求しておく必要がある。
また、演出として残り回転数が表示されるとはいえ、カウントダウン自体が遊タイム突入のものだと分かり難い表示になっている。理解出来ずに損をしてしまうユーザーが現れないように取り組むことで、離反防止に繋がるだろう。
「遊タイム」はゲーム性が大幅に広がることでプラスだが、スペック訴求にも記述した通りに悪影響を与える可能性も秘めていて賛否両論ある。
パチスロの天井とは異なり、スペックによってはRUSH直撃への近道にもなる可能性もあり、期待値が大きく跳ね上がるのが特徴だ。
そして回転数が上がるほど期待値も積みあがる仕様である以上、場面によって期待値が異なる、つまりパチンコ本来の〝完全確率抽選〟とは言えない。しかも損する状況も生まれてしまうだろう。
現在の6号機を見て分かるように、ほとんどの機種に天井が搭載され、中には200G程度から期待値が出る仕様のものが多い事もあり、即ヤメ状態で放置されているのがあまりにも多すぎる。
パチスロと違ってパチンコは時間や人により差が生じづらい事が特徴であり、気軽に打てるからこそ経営の原資であったのは言うまでもない。「遊タイム」は救済とゲーム性充実という利点だけでなく、これまでの環境に大きな変化をもたらそうとしているのだ、という覚悟も必要になるだろう。
救済とはいえ抽選が優遇されるのであれば〝天井〟とも呼べる。過度な期待値を生んでしまうことで6.0号機の二の舞になる危険性もある、とメーカーには認識していただいた上で開発に臨んでもらいたい。その中で新たな面白い機械に期待したい!