警察庁の小堀課長が「旧遊技機の撤去」に絞ってあいさつ/21世紀会

2021.01.28 / 組合・行政

1月26日、パチンコ・パチスロ産業21世紀会において警察庁保安課の小堀龍一郎課長があいさつを行った。

内容は1月15日の全日遊連理事会の講話と同じ趣旨で、前回(1月15日)は業界が取り組むべき課題として旧規則機の撤去、のめり込み・依存問題、法令違反の3点について述べたが、今回は「時節柄、時短モードで」と前置きして、「旧遊技機の撤去」に絞った。

<以下、抜粋・要約>

昨年5月に国家公安委員会規則を改正し、旧規則機の撤去に係る経過措置期間を1年延長しましたが、本年はこの撤去を着実に進める必要があります。

新型コロナウイルス感染症の影響により、遊技機の部材調達が困難化するなど、新規則機への入替を予定通り進めることが困難となり、また入替作業等に伴う感染拡大の防止を図る必要がありました。

一方で、社会一般の視点から射幸性の抑制という命題が後退したと受け止められてはならず、また、撤去期限がそのまま後ろ倒しになり、経過措置期間満了間際になって撤去が集中する等の事態を避ける必要があるといった問題があった。これらの問題の解決に向けて、業界団体の幹部の皆様と議論をしました。これはホールだけの問題ではありません。期限を延長すれば、当然、遊技機メーカーや販売会社に大きな影響が出ます。しかし、それでもこの危機を業界全体で力をあわせて乗り切ろうということで、6団体から撤去期限延長の要望がありました。そこで、業界団体による旧規則機撤去の取組みに対する信頼をベースに、入替を分散化して計画的に行うため、規則改正を行ったものでした。

こうした経緯・趣旨を踏まえ、業界一丸となって取り組む強い意志の表れとして、貴会において計画的な撤去の決議をされました。私どもとしても、その進捗状況をよくみていきたいと思います。引き続き、業界全体が協力・団結し、旧規則機が計画的に着実に撤去されるようお願いします。

旧規則機の取扱いをめぐり、2点留意すべき点を指摘しておきます。

1点目は遊技機の廃棄方法についてです。

かつての「野積み」等のような廃棄問題を繰り返さないことが求められます。

環境問題に対する社会的関心が高まる中、かつてのようなことがあった場合に業界が受けるダメージは計り知れません。遊技機の適正な管理・廃棄が確実に行われるよう、ホール、メーカー、販社の各団体が、それぞれ立場で何ができ、何をすべきかを真剣に考え、行動に移していただきたいと思います。

2点目はホールにおける旧規則機取り扱いについてです。

旧規則機の撤去期限延長に伴い、旧規則機の設置が相当長期になっているホールがあります。

ある遊技機が経過措置期間内にあったとしても、経年劣化による故障等により、法令上の基準に適合しない状態で設置し続ければ、法令違反となります。一方、部品交換するにしても正規に部品調達ができない等として、承認申請手続きを経ることなくして行えば、無承認変更等の法令違反となります。いずれも重い処罰の対象となりますのでご注意ください。

なお、新規則機については、遊技機メーカーにおいて開発努力が続けられています。当庁においても射幸性を上げることにつながるものではなく、魅力ある遊技機作りが可能となるよう、多彩な演出やゲーム性を高める内容の要望については前向きに対応しているところです。

また、昨年より当庁と日工組、日電協との間で話し合い、指定試験機関の試験枠を臨時増設しているほか、両団体内でも型式試験の適合率を高める対策がなされています。遊技機メーカーによる引き続きの努力に期待します。

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