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2008年に「牙狼」が業界に登場してから2016年末のMAX機設置期限に「魔戒ノ花」が撤去されるまでの期間、「牙狼シリーズ」が〝メイン機〟の立ち位置から外れた時期はなかった。
しかし現市場ではその立ち位置から一歩引いてしまっているのが現実だ。その理由としては、内規移行時に代替を用意出来なかったこと、射幸性がシリーズの代名詞であったことだろう。
さらに追い討ちをかけるように、「魔戒」に取って代わった「北斗無双」が残っている現在では、内規というよりも新旧規則の差により、性能で上回ることが困難な状況にある。ただし、その旧規則機の期限も残すところあと1年程となり、徐々に市場の様相に変化が訪れる事が予想される。
その変化の1つに「再び牙狼シリーズがメインに立つ」ことが入るかどうかが業界にとって非常に重要なポイントとなる!
本機はハイミドルのV確ST機となっており、基本スペックでみれば「P仕置人」と類似している。実際に「P仕置人」と比較して確認してみよう。
基本スペック | ||
機種名 | P真・牙狼 | P真・必殺仕置人 |
通常時大当り確率 | 約1/319.7 | 約1/319.9 |
確変時大当り確率 | 約1/73.6 | 約1/69.8 |
ST突入率(特図2:100%) | 50%(特図1) | 50%(特図1) |
通常時短回数 | 50回 | 100回 |
ST回数 | 130回 | 130回 |
ST継続率 | 約83.1% | 約84.7% |
平均連荘 | 約5.917連 | 約6.536連 |
MAX払出出玉 | 1,500個 | 1,500個 |
MAX出玉比率(特図2) | 70% | 60% |
時速獲得出玉 | 約18,137個 | 約16,648個 |
諸元表下限ベース値 | B29 | B35 |
詳細は後述するが、シリーズでは数少ない特図2の振分が存在するものの、時速出玉は2種大当り搭載機種を除けば現市場では相当早い性能に。昨年夏に出玉速度が要因となり差が付けられてしまった「仕置人」を越えるものとなっている。また、継続率・連荘性能はb&c時短を除くST中のみを考慮した数値。
時短詳細 | |
b時短(遊タイム) | 低確率900回転消化後、時短1,200回が発動 |
c時短(突然時短) | 電サポ終了時の残保留4個のみ抽選、約1/90で時短900回が発動 |
大当り振分 | |||||
ラウンド数 | 出玉(払出) | 移行状態 | 電サポ回数 | 振分 | |
特図1 | 3R | 約450個 | ST | 130回 | 50% |
3R | 約450個 | 時短 | 50回 | 50% | |
特図2 | 10R | 約1,500個 | ST | 130回 | 70% |
2R | 約300個 | ST | 130回 | 30% |
前述の通り、継続率・連荘性能はST中のみ考慮した数値となっており、c時短突入時も考慮すると、c時短終了後にb時短へ直行する貫通型であり当選濃厚のため実質継続率は若干上昇する仕様となっている。
c時短突入の抽選を行うのは残保留4個の貯留となる事から、実際のc時短当選率は約4.37%となるが、大当り抽選と合算すると約5.59%と、右打ち終了時の約18回に一度は残保留からの当選に期待できる仕様だ。
ベース機とされる「冴島鋼牙」を踏襲した演出はそこまで多くなく、ステージ別予告や弱リーチ程度。スペックの違いから、右打ち中はもちろん、通常時も大きく変化している。
特に強SPリーチはすべて一新されており、さらに本機オリジナルホラーも存在し、勝利時にはST突入濃厚などシリーズ初の要素も含まれている。
そして最大の違いとして、「冴島」は従来の液晶(奥側のもの)がメインの演出となっていたのに対し、本機は手前側のゴーストビジョンをメイン液晶としているので、打感は別物に感じる仕様となっている。
筐体は「冴島」と同筐体となっているが、『牙狼剣』にアイキャッチとなる装飾カバーが付加される。
本機「P真・牙狼」の訴求ポイントはコンテンツ&スペックとなるだろう!
業界きってのコンテンツ「牙狼」だけに、現市場に潜む潜在ファンに対して「冴島」とは異なることを伝えるのが良い。
スペックと共に『雨宮監督による本機オリジナルホラー「メルカル」撃破でST突入濃厚!』など刷新された演出などの訴求をするべきだ。
そして「牙狼シリーズ」の代名詞となるスペックの面では、「冴島」のイメージを払拭する為に出玉速度の訴求が一番となるだろう。付加要素としてb&c時短を訴求する事でファンが他機種へ優位性を感じさせない事が重要となるだろう。
そしてBOXや半BOXでの導入時には問題ないが、列系での導入時には中央通路などの動線側に『牙狼剣』(右側)が見えるように配置する事で遠くからでも「真・牙狼」と認識される効果が発生するので、設置箇所には十分に注意が必要となる!
「真・牙狼」はシリーズの中では集荷台数が抑えられており、供給が飽和する事はまずないと予測される。
出玉性能的に甘過ぎない仕様はシリーズ機では差があるかもしれないが、「TUSK」「冴島」後の状況を考慮すれば遊技環境が整えやすい仕様で、プラスとなる可能性を秘めていると言えるだろう。ただしベースも高めの設計値となっている点で、遊技環境を整える意味では課題となるので注意が必要だ!
実の所「牙狼シリーズ」の本番は、「北斗無双」がなくなる来年に登場するだろう「神ノ牙」がメインだろう。だが、経過措置が発出された現状において過剰ともいえる程に新機種が乱発されていて、期日までの撤去規模とは大きくかけ離れて上回る状況となっている。多数の新機種が登場する中でも、旧内規で人気を博しながら現市場にタイトルが残されていない「牙狼シリーズ」は少しでも入替が抑えられるメイン機として大きな役割を果たす可能性があるため期待したい!