大手法人機械対策課SH@CKの新台講座「P海物語IN JAPAN2金富士」
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【月曜】大手法人機械対策課SH@CKの新台講座
#155
今週の紹介機種は「Pスーパー海物語IN JAPAN2金富士」
9月6日導入開始予定
メーカー:三洋
全国40,000台予定
どの市場にもトレンドというものが存在し、開発・販売するものからすればトレンドであるものが売れる事が多い。これは売り手と買い手の関係性に強い因果が存在し、買い手社会であれば「トレンド」それすなわち「顧客ニーズ」となる訳だが、売り手社会であるパチンコ業界ではその限りではないのが注意点だ。
これは開発制限などにも大きく影響しているものの、〝売れる物〟が顧客(ユーザー)ニーズに即しているとは限らないのである。
毎度の事ながら〝類似品の供給過多〟を引き起こしているように感じている。パッケージを変えて中身は同じ商品が多い状況ではなく、様々な商品があった方があらゆるニーズに応える事が出来ると思うのだが、なかなか上手くいっていないのが現実だ。
そんな中、本機は現市場ではかなり希少となる「100%突入高継続ST」スペックで、V確STばかりがリリースされ続けるパチンコ市場において、新たなニーズを呼び起こす事に期待したい!
スペック
そんな本機は2スペックが同時リリースとなる。比較しながら基本スペックを確認してみよう。
基本スペック | ||
---|---|---|
Ver | 319ver | 199ver |
スペック | 特図1/2共通8個保留ST | |
通常時大当り確率 | 約1/319.6 | 約1/199.8 |
確変時大当り確率 | 約1/50.8 | 約1/53.8 |
ST突入率 | 100% | |
ST回数 | 74回(電サポ70回) | |
ST継続率 | 約77% | 約75% |
SA | 約10.4 | |
時速獲得出玉 | 約12,735個 | 約9,033個 |
諸元表下限ベース値 | B25 |
319ver大当り振分(特図1/2共通) | ||||
---|---|---|---|---|
ラウンド数 | 出玉(払出) | 移行状態 | ST回数 | 振分 |
10R | 約1,500個 | ST | 74回 | 35% |
6R | 約1,050個 | 35% | ||
3R | 約600個 | 30% |
199ver大当り振分(特図1/2共通) | ||||
---|---|---|---|---|
ラウンド数 | 出玉(払出) | 移行状態 | ST回数 | 振分 |
10R | 約1,200個 | ST | 74回 | 30% |
6R | 約720個 | 35% | ||
3R | 約360個 | 35% |
2スペックでの大きな差異は「当選確率」「特賞出玉」のみとなっており、継続率もラウンド数振り分けも大きな差がない。なので純粋にニーズに合わせて打ち分ける事が出来る仕様となっている。
本機には最近の機種には当たり前の様に搭載されている、「遊タイム」も搭載しておらず、従来のユーザーも気兼ねなく遊技出来る仕様となっているのだ!
演出
ベース機である「海JAPAN2」を踏襲したものとなっており、通常時は前作の「金富士」でもおなじみの金富士要素を若干付与したものに。
ST中はコンセプト色が強くなり、前作から継承した「演歌演出」を大幅進化させた仕様となっている。ワリンの独壇場であった前作とは異なり、今作からはマリンとウリンも演歌デビューを果たし、当然新規楽曲も搭載されている!
ST中は4つのパートに分かれており、演出量は非常に多くなっている点にも注目だ。
ポイント
本機「スーパー海物語IN JAPAN2金富士」の訴求ポイントはコンテンツ&スペックとなる!
コンテンツは業界を代表する「海物語シリーズ」なだけに、シリーズ最新作である点に合わせ、前作「金富士」が未だ市場に残っている状況で、前作とは大きく異なる「イルミオ枠」ではなく「マリンシェル枠」である点の訴求を行うと良いだろう。筐体画像を多く露出させて認識してもらうのがベストだろう!
そして冒頭で触れた通りにスペック面について、65%規制緩和後に一定回転数と継続率を有した100%ST機は海だけに限らずとも、ほとんどどリリースされておらず、それこそ現市場では「海桜」「海金富士」「偽物語」などしか残存していない状況にある。これは明らかにニーズというよりはリリース状況が偏ってしまった状況が背景にある以上、『100%突入高継続率ST搭載』のワードは新鮮に映るユーザーも少なくないだろう!
業界にとってもユーザーにとっても、海シリーズのニーズが高くなる事は費用の面でも遊技環境整備の面でも有難い事なので、是非とも良い結果に結び付く事に期待である!
ただし今回の金富士は久々に〝THE業界〟的な販売となってしまった点では絶大な悪影響を与える可能性があることに注意が必要だ。
このご時世に1:4(メイン:本機含む機歴)の販売は流石にやり過ぎだろう。ましてメーカー自社のメインシリーズでやる事ではないだろうに……。
正直、今は「良ければ増産」の対応がベターであり、6号機最高台数を出荷した「Re:ゼロ」も、最近では「モモキュン」が7次ロットまで伸びているのが良い例だろう。いくら売り手社会だからと言って禍根を残す販売をするべきではないし、「Re:ゼロ」のように供給過多の調整をする事も出来ない販売は誰にとっても特にはなり得ない。
本機に至ってはベース機となる「海JAPAN2」が大ゴケしているだけに尚更だろう。
今後の販売は目先の利益に走るような事にならないように祈っている。