大手法人機械対策課SH@CKの新台講座「P仮面ライダー轟音」

2020.08.03 / 連載

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【月曜】大手法人機械対策課SH@CKの新台講座
#154


今週の紹介機種は「P仮面ライダー轟音
9月6日導入開始予定
メーカー:オッケー.
全国40,000台予定


パチンコ内規変更があった際には早期に指針を示し続けている京楽産業から、ついに〝遊タイム搭載ハイミドル〟がリリース開始!

小当りRUSHの在り方を示した「GANTZ」、高継続P機の在り方を示した「仕置人」、低ベースの在り方を示した「PAウルトラセブン」。そして今回の本機では、過去に認可されてこなかった新たな機能「遊タイム」=〝天井〟の在り方が示される事に期待したい!

スペック


そんな本機のスペックはV確ST・遊タイム機能搭載の約1/319.9ハイミドルタイプ。基本スペックを確認してみよう。

基本スペック
通常時大当り確率 約1/319.9
確変時大当り確率 約1/74.7
遊タイム発動条件 低確率950回転
遊タイム回数・当選率 時短1200回・約97.7%
SA①ST&時短中
②遊タイム中
①22.4
②40
時速獲得出玉 約12,000個
下限算定値ベース B25

 

大当り振分
  ラウンド数 出玉(払出) 移行状態 電サポ回数 電サポ中当選率 振分
特図1 10R約 1,500個 ST&時短 120回+120回 86.4% 1%
3R 約450個 ST&時短 120回+120回 86.4% 10%
3R 約450個 ST 120回 80.2% 39%
3R 約450個 通常時短 120回 31.3% 50%
特図2 10R 約1,500個 ST&時短 120回+120回 86.4% 35%
10R 約1,500個 ST 120回 80.2% 45%
2R 約300個 ST&時短 120回+120回 86.4% 5%
2R 約300個 ST 120回 80.2% 15%

今回の電サポの解釈基準変更を生かしたスペックとなっており、遊タイムはもちろんの事、100回以上のST+時短が振分の一定数を持っている。かつてから市場にあるショートST&時短のスペックとは異なり、右打ちの比率が多い仕様。

遊タイムも含めてSAは、他ハイミドルと比較しても早い性能を有しているので、消化がストレスになる事は少ない仕様となっている。

遊タイムに関しては、V確ST機であるだけにデータランプでは正確な現在回転数や残り回転数が把握し難いものとなっている。
例えば大当り終了後120回転でやめられていても、STスルーか時短スルーかわからないという事。2連以上したのちの120回転ヤメは確実にST120回スルーだが、その場合はそこから950回転なのでデータランプ表示では1070回転で発動となる。一方、単発後の場合は通常時短スルーかSTスルーかの判断が付かないので注意が必要だ。
ただし遊タイム中の当選はST確定となるので、前回当り回転数や消化ラウンドなどの状況から判断が可能となる場合もある。

RUSH中の均した継続率は約83%となり、現行高継続率機と比較しても遜色ないと言える。

演出


京楽グループの十八番ともいえる、特撮コンテンツを上手く3D演出化し、古臭さを払拭した仕様に。

コンテンツ面の特色としては、かつてのライダーシリーズからの時系列を色濃く継承した物語展開で、後日談に近い内容から昭和ライダーに馴染みあるファンにとって嬉しいものとなっているのだ!

遊タイムに関しては、開発社が一番注力している〝朝一狙い〟が出来るように据置などを示唆する演出が存在し、前日からの回転数の引継ぎなどが遊技者に分かる仕様となっている。

ポイント


本機「仮面ライダー轟音」の訴求ポイントはコンテンツ&スペックだ!

コンテンツは仮面ライダーそのものと言うよりも、「京楽の最新台」という点が重要だろう。
コロナの影響があったとは言え、前機種は半年以上も前の「ウルトラ6兄弟」まで遡るので、しっかりとアイキャッチ強めの筐体画像を全面に打ち出していく事が効果的となるだろう!

そしてスペックの面では、「遊タイム搭載機」である点は注意事項程度に留めておく事がポイントとなるだろう。訴求すべきは遊タイム搭載でありながら、他の遊タイムナシのハイミドル機との出玉性能差がほとんどないことだ。これを生かして、設定のように敬遠されるイメージを持たれないように扱う事が重要となる。

データランプによっては出力により通常回転が分かるようになっているとの事なので、対応データランプの店舗は忘れずに行うべきだろう。


現市場は前年比でPS共に20%前後の落ち幅となっており、ジャグラーや海シリーズの戻り状況は他カテゴリーと比較すると良い数字となっている。その中でも戻りの悪い分野は中年層が好むような機種が多く、明らかに遊技の頻度と時間が減少している状況だ。
これはコロナの影響よりも禁煙の影響が大きい事が見えてきており、それゆえに短時間勝負が出来る機種のニーズ高まっているのも頷ける。

 

本機「仮面ライダー」は正にその中年層をターゲットにした機種となり、頻度を上げる効果に期待したい!……が、遊タイム自体はそもそも遊技時間を上げる機能となるだけに、今回はマイナスとなる可能性が大いにあるのは残念で仕方ない……。
合わせて、数値上では出玉速度が現行の人気機種と比較すると非常に遅い点は懸念材料となる……。

少しでも、環境を整える為に喫煙ブース近くのレイアウトにするなどの配慮は必要で、さらにハンドルを離せるタイミングがあれば、それを告知する事も重要となるだろう!


多くの人間が、得するより損したくない『損失回避の法則』を本能的に感じている。その点で考えると、950回転という1人では到達しづらい回転数までハメる事は「損をする」と捉えられるだろう。現に有利区間転落で即ヤメが相次ぐ6号機の惨状を見ての通りだ。

メーカーが注力している据置示唆により、朝一稼働があったとしても初当り1回までのアプローチでしかなく、ホールのロスカットがし難い状況は常時の遊技環境へ悪影響を与え、当選後の遊技続行の妨げとなる恐れすらある為、良い結果に結ぶ事は困難のように感じてしまう。

今年10月には煙草の大きな値上げの可能性も出てきており、喫煙状況も変化していく事だろう。そうなればパチンコ市場へも影響があるだろうが、そもそも喫煙者との親和性が高かった業界だけに「喫煙者の減少」自体がプラスになるとは言いがたい。その点は現状を受け入れて営業・経営判断が必要となっていく事だけは認識しておくべきだろう。

メーカーは喫煙者の遊技も想定して、一番の喫煙タイミングとなる当選時に喫煙出来るよう、スルー通過で大当り開始する仕様をデフォルトにするなど、対応をお願いしたい。

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