経過措置延長に伴う誓約書提出の遵守を強調/日遊協総会

2020.06.23 / 組合・行政
 6月18日、日遊協は東京・新宿の「ハイアットリージェンシー東京」で第31回通常総会を開催した。総会は新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を徹底して行われ、会場は各出席者の間隔を広く取るソーシャルディスタンスを意識した座席並びとし、プログラムも可能な限り圧縮。行政講話(既報)は書面配布となり、総会後の懇親会も中止された。
 
 庄司孝輝会長は冒頭のあいさつで「新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う、緊急事態宣言発令によって、多くの施設が休業を求められる中で、パチンコ店は9割以上が要請に従って休業を選択し、それぞれの立場ででる限りの努力を続けた。その一方で、政府の休業要請や指示に従わず営業を続けたパチンコ店に対しては、全国21都道府県が施設名公表に踏み切った。また、こうした店舗の存在をきっかけとして、パチンコ業界全体に批判の声が集まるようになった。中には事実と異なる報道も散見されたが、それでも営業を強行している店舗が例外と捉えられ、批判の声が思ったほど大きくならなかったのは、とりもなおさず政府の休業要請が出る以前から自主的に休業を行う店舗があり、さらに緊急事態宣言後もほとんどの店舗が休業を選択していたという事実があったからだと思う」と語った。
 
 さらに「メーカー関係、販社関係の協力のおかげで、改正遊技機規則の経過措置期間延長がなされたこと、また、セーフティネット保証5号と政府系金融機関・信用保証協会の融資や保証の対象業種入りが実現したことは、こうした厳しい状況のなかにあって、一条の光となるものだ。この2つの案件がまとまったことで、業界の状況は大きく変わった」と謝意を述べた。
 その上で「この約1カ月半の休業によって被った損失は、一朝一夕に取り戻せるものではないが、今後もメーカー、ホール、販社、関係企業が強い連帯意識をもって、この難局に挑む必要があると感じている。非常に難しい状況ではありますが、解決しなければならない課題は他にもある。新型コロナの影響により取り組みが滞っている依存問題対策では、旧規則機について段階的な撤去を約束するパチンコ・パチスロ産業21世紀会決議への賛同と遵守が求められる。一方、将来的な課題として、キャッシュレスやAIなど、テクノロジーの進化による社会の大きな変化への対応も考えていくべきではないかと思う」などと述べ、組織として広い視野と柔軟な思考、高い実行力の必要性を訴えた。
 
 議案審議では令和元年度事業報告書及び決算報告書の件、理事報酬の件、役員の選任に関する件のいずれも満場一致で承認された。
 審議終了後、庄司会長が5月20日施行された国家公安委員会規則改正による経過措置延長の趣旨と、パチンコ・パチスロ産業21世紀会による決議の背景について説明を行い、改めて誓約書の提出などについて理解と協力を求めた。
 
 ●令和2年度重点推進事項~行動する日遊協 日遊協憲章・行動指針の実践~は次の通り。
 
 1 パチンコ・パチスロ新時代にふさわしいビジネスモデルの創造等、
安心安全な遊技環境の整備
 ・新時代にふさわしいビジネスモデルへの課題解決と推進

  ア 多様な遊技機と遊技方法の検討 
イ ファンのすそ野を広げるPR活動の推進
 ウ ホールの省力化
 ・ギャンブル等依存症対策推進基本計画に基づく取組の積極的推進

  ア ホールにおける依存防止対策の推進
 
 ・パチンコ店における依存問題対策ガイドラインの推進
 
 ・安心パチンコ・パチスロアドバイザーの配置とRSN周知の徹底
 ・自己申告・家族申告プログラムの導入促進とお客様への広報活動強化 

 ・顔認証等システムの活用に係るモデル事業の研究

    イ 新基準機の普及促進 ウ 子どもの車内放置防止対策の強化
 ・ 健全化に向けた業界の在り方の研究 
     
  ア 不正に対する断固たる対応
 
 ・一般社団法人遊技産業健全化推進機構の活動への積極的な協力
 
 ・遊技産業不正対策情報機構(PSIO)の活用と、地域セキュリティーネット等
との連携強化

   イ社会情勢の変化に対応した法令等の研究・改善の取組の強化
   ウ業界の自主規制の在り方についての検討
 ・一般社団法人貯玉補償基金の整備充実
 ・店舗における防犯対策の強化
 ・訪日外国人の受入れ対策の研究
 ・消費税(インボイス方式)への対応
 
 2 人づくり活動の推進
 ・ 店長等講習等体系的な人材育成システムの充実強化
 ・遊技機取扱主任者の講習・試験制度の充実強化
  
 3 環境問題への積極的対応
 ・ 省エネに関する意識の改革とエコホール等の対策の推進
 ・遊技機リサイクルの積極的推進
 ・ ホールにおける受動喫煙防止対策の徹底と効果検証
 ・「みどりのきずな」「共生の森」計画の推進
 ・旧基準機の撤去に伴う使用済み遊技機の適正処理
 
 4 社会貢献活動の推進と社会的評価を得るための効果的な広報活動の推進
 ・遊技産業に対する理解と社会的評価を高めるための広報・各種イベント活動の推進
 ・地域における各種ボランティア活動の推進と日遊協ボランティア派遣隊の充実強化
 ・SDGs(持続可能な開発目標)への貢献と広報活動の充実
 
 5 組織体制の整備と活性化
 ・会員増強方策の積極的推進
 ・委員会・プロジェクトチーム活動の整備
 ・本部・支部間、支部相互間の情報交流の推進
  
 6 遊技産業の各団体間の連携強化 
 ・団体間の各レベルの会議の充実強化
 ・団体会員等と連携した広報活動等の実施
 
 
写真は役員改選で就任した新役員。左から副会長、理事に就任した飯塚邦晴理事(有限会社新日邦)、平本直樹副会長(株式会社プローバ)、庄司会長(=留任)西村拓郎副会長(日拓ホーム株式会社)、高谷厚之副会長(株式会社リンクス)、大泉秀治理事(株式会社オーイズミ)
 

 

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