第二の天安門事件へ発展か/香港民主派デモ拡大

2014.10.02 / カジノ

9月28日から香港で始まった民主派の大規模なデモ活動は、10月1日の国慶節の祝日になっても鎮静化の気配がない。

香港の主要繁華街である中環、銅羅湾、金鐘、旺角周辺の幹線道路はデモ隊によって封鎖され、一部の公共交通機関はマヒ状態。周辺の商業施設も休業を余儀なくされている。この時期、香港・マカオを含めた中国全土は「秋のゴールデンウィーク」と呼ばれ、年間を通じて最も大きな観光シーズンのひとつ。しかし、終息の気配のないデモは、発生地である香港の観光産業はおろか、マカオにも大きなダメージを与えるのではとの懸念が広がる。

スイスの投資銀行UBSは、香港・マカオの観光産業の中でも、特に中国人団体旅行客への影響を指摘する。両地は近接した位置関係上、同一のパッケージプランに組み込まれることが多く、両地を訪れる中国人旅行者のうち15~20%は香港→マカオのルートで周遊する。これらの人々は、デモの状況を考慮して香港行きだけなく旅行自体をキャンセルしてしまうことが考えられる。また、マカオのカジノ収入の10%前後を占める香港人にもマカオ行きを取り止める人々が出るため、カジノを含む観光産業への影響は少なからず出る可能性があるのだ。

デモ発生以前、マカオ政府は秋のゴールデンウィーク期間の渡航者数を、前年比8%増との予測を発表した。また、「ヴェネチアン・マカオ」などを運営するサンズ・チャイナ社も期間中のホテルの予約状況は「ほぼ満室」と発表したばかりだ。しかし、今後のデモ活動の動向次第では、それぞれの思惑は大きな軌道修正を迫られる可能性もある。

※画像は香港立法議会周辺で座り込みを行う民主派のデモ隊と民主化を訴える活動家。バスで封鎖された旺角地区の幹線道路

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