海物語の客層と設定付であることの意味を考える

2018.11.17 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(188) 設定付きパチンコの扱い方について

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。パチンコの新規則機が登場して早3か月です。そして11月に入りついに海物語の設定付き新規則機が導入開始となりました。

しかし、初週の稼働は他の同時導入された機種と比較しても芳しいものではなく、期待を大きく裏切ったといえる結果です。今回は、「なぜPスーパー海物語IN沖縄2が(現状)受け入れられていないか」から、今後の新規則遊技機(主に設定付き遊技機)をどのように使っていくかについて考えてみます。

海物語を遊技する客層の年齢層は比較的年配、中高年が多い傾向があり、「安心、安定、わかりやすさ」を求める傾向があります。そういった客層において「6段階の設定」という要素は、遊技台の選択において「選択基準の複雑さ」を招くと考えられ、また「設定付きである」ことは導入店舗の販促などで告知されており、この点がマイナスに働いたと思われます。

今回、特にビッグコンテンツといえる海シリーズで稼働が芳しくなかったことで、設定付きパチンコ遊技機に対するネガティブなイメージがついたように思えます。しかしこれは「海は年配層が遊技する」と捉えた販促、訴求からのミスマッチが引き起こしたものであり、訴求ターゲットを誤らなければこのような結果にはならなかったと思います。

つまり「若年層をターゲット」にした販促、訴求、設置場所とすることで、「設定付き」ということが遊技動機につながる可能性もあるということです。実際にこれまで登場した設定付きパチンコ遊技機でも、若年層ターゲットの遊技機は稼働がまずまずであり、その傾向は見て取れます。

新規則遊技機(設定付き)は、パチンコにおいてこれまで懸念されていた「若年層離れ」を食い止める出発点となる可能性もあります。回転数以外の要素、つまり設定による台ごとの差があることを魅力的と捉える新しい客層の獲得です。6段階の設定があることの弱みを見るのではなく、「強みを生かす」営業を志向してください。

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。著書に「ジリ貧パチンコホール 復活プロジェクト」(幻冬舎)がある。

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