国内企業:アクロディア カンボジア・ビンゴカジノ直営事業から撤退~新型肺炎リスク
2020.04.02 / カジノ【国内ニュース】
IR整備法が成立(2018年7月20日)し、公布(7月27日)された。国内企業は、事業関与の仕方、ターゲット・エリアを定める必要がある。
事業関与は、主に、IR事業主体(コンソーシアム)へのエクイティ参画、IR事業主体からの業務受注、に大別されよう。
IR事業主体(コンソーシアム)は、地域企業、都市開発企業、海外IR事業者などで形成へ。
ターゲット・エリアについては、IR上限数「3」を前提に、自らが強みを持ち得るエリアを抽出することが肝要。
2019年末から2020年、都道府県・政令市(IR区域整備計画を国に申請する)は、実施方針を策定し、IR事業主体を選定へ。
アクロディア(東京証券取引所市場第二部)
アクロディア カンボジア直営事業から撤退, システム提供特化~新型肺炎リスク考慮
・3月31日、アクロディアは、カンボジアのビンゴカジノ直営事業の撤退、ビンゴシステム提供への特化を決定
・カンボジアのビンゴカジノ運営子会社”Pacific Delta Bingo社”の株式を売却。売却先は、MT INVESTMENTS(同社ビンゴシステム独占販売権を保有)
・今後、カンボジアRoxy Casino(バベット市 Roxy Hotel & Casino社)内のビンゴカジノ場の運営は、ホートラムジャパン株式会社、MT INVESTMENTS、同社(システム開発・運用・保守)の体制
・今回の決定は、新型肺炎(COVID-19)の影響、事業リスクを考慮した結果
アクロディア アジアでビンゴ運営。日本IR内の展開目指す~ただし制度上困難
・12月24日、アクロディアは、アジア各国におけるビンゴカジノホール運営の事業開始を発表
・第一号として、カンボジアRoxy Casino(バベット市 Roxy Hotel & Casino社)内のビンゴカジノ場の営業を開始
・同事業は、新規子会社Pacific Delta Bingo社(資本金10万米ドル,本社貸付35万米)が遂行。ホートラムジャパン株式会社と提携
・アクロディアのビンゴカジノ運営のベースは、運営ITシステム。米準州グアムのホールに同システムを提供中
・アクロディアは、今後、以下の事業を開始する考え
– オンラインビンゴ事業:各国オンラインカジノの規制に準拠
– 日本のIR施設内におけるビンゴカジノ場展開(カジノIRジャパン注:制度上困難と考えられる。図表参照)
<ビンゴ市場の参考情報>
・米国ギャンブル市場(2018年):全体1,612億ドル。ビンゴは21億ドル(1.3%)。なお、カジノ(商業+トライバル)は842億ドル(52%)
・世界オンライン・ギャンブル市場(2018年):全体520億ドル。利用者が最も選好する種別は、スポーツベッティング40%, カジノ32%など。ビンゴは5%ほど
カジノIRジャパン注:IR整備法より アクロディア社 ビンゴカジノ事業~日本IR内への展開は制度上困難と考えられる (1)カジノ事業における外部委託の規制 (2)カジノ行為の規制 (*)カジノ管理委員会は、2020年1月7日に設立予定。その後、カジノ管理委員会規則が策定される |
アクロディア オンラインカジノの東南アジア展開でホートラムジャパンと提携
・6月20日、株式会社アクロディアは、同社が開発したオンライン・ビンゴ・カジノ・システムの運営と展開について、ホートラムジャパン株式会社と業務提携したと発表
・なお、本事業は、ベトナムの大型IRである「The Ho Tram Strip」(*下段を参照)とは関係しないと推測される
<株式会社アクロディア(代表取締役社長 堤純也氏)の概要>
– 東証二部上場(コード:3823)
– スマートフォン向けサービス及びソリューションの提供
<ホートラムジャパン株式会社(代表取締役 伊達智行氏)の概要>
– IRホテルの企画・開発・投資及び運営
– レストランの企画、開発、投資及び運営
– 不動産の開発、企画、売買及び斡旋
– 娯楽用ゲーム及びコンピューターシステムの企画、開発及び投資
– 上記に関するコンサルティング事業など
<業務提携内容>
・アクロディアは、スマートフォンやタブレット用のオンライン・ビンゴ・カジノ・システムを展開
・アクロディアは、すでに、グアム、パラオ共和国でのサービス開始に向けて準備中
・今後、ホートラムジャパンのネットワークを活用し、同システムを東南アジア諸国に展開
・まずは、カンボジア、ベトナム、フィリピン、ラオスにアプローチを開始
・カンボジアをファーストターゲットとし、現地法人を共同で設立し、現地カジノ運営会社との契約を進め、今夏からのサービス開始を目指す
・アクロディアは、カンボジア、ベトナム、フィリピン合計のカジノ市場60億米ドル(6,600億円)規模において、市場シェア0.5%相当する0.3億米ドル(33億円)を目標とする
<東南アジアのカジノ市場>
(カンボジア,ベトナムはリリースより抜粋。フィリピンのみカジノIRジャパン)
・カンボジア:約20億米ドル(2,200億円), 施設数は実質60-70施設
・ベトナム:約3億米ドル(330億円), 施設数は統合型リゾート(IR)が8施設、スロットパーラーが20施設ほど
・フィリピン:2018年4Q累計(1-12月)PHP187,541mn, YoY23%増(約3,938億円)
(参考)ベトナム The Ho Tram Stripの概要
・ベトナム東南部バリア-ブンタウ省
・最終投資計画42億ドル(ベトナム政府に40億米ドルをコミット)
・開発者:Asian Coast Development Limited(ACDL, カナダ), 現地子会社Ho Tram Project Company Limited
・施設
– The Grand Ho Tram
~フェーズ1(2013年7月開業)投資額6億ドル, 541室。フェーズ2(2018年12月開業)累計11億ドル, 1,100室
– The Bluffs Golf Course