何をしても効果がない時、何を考えていますか?
2018.11.24 / 連載【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(189) 年末年始までにすべきこと
皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。11月も今週までで、いよいよ年末年始営業が近づいてきました。12月は繁忙月と考えられ、10月~11月よりは稼働も回復してくるでしょう。
しかし12月が繁忙月とはいえ、中旬くらいまでは今と同じような厳しい稼働が続くと思われます。今回はこの時期(11月~12月中旬くらいまで)に何をすべきか、についてお伝えします。
12月の中旬までのこの時期は何をやってもうまくいかないものです。入替をしようがイベントをしようが、空チラシを出そうがとにかく集客ができません。こういったときにすべきことは大きく2通りあります。
1.落ち込みを最小限にするために、とにかくカネをかける
すべては現状維持のため。動かなければ落ちるのならばとにかく動いて今のレベルの維持を目指す戦略です。
2.費用対効果を考えて、じっと耐えてカネをかけない
今動いても効果が薄いのならば、もっと効果の高いときに動くために今はあえて何もしないという戦略です。
さてこの2通りの考え方はどちらもそれなりに狙った効果が得られます。「1」ならば「同じなら良い」と捉えることでその効果が得られますし、「2」ならば「今は我慢」と捉えることで現状を受け入れて次の機会に備えることができます。あとは、自分の立ち位置で「より効果が高いのはどちらなのか?」を考えて選択するわけです。
「戦略の基本は脅威を避けて機会を生かすこと」とされます。そうすると、大きな資本力のある所は別として、大多数は少ない投資による費用対効果を大きくするために「2」の動かない戦略を選択する方が良いと考えられます。
ただしここで間違えてはいけないのは、「2」の戦略では「動かない」と言っても決して何もしないというものではありません。ミーティングや会議の席でよく、「とりあえず、様子を見よう」という言葉をよく聞きます。そしてほぼ、その「様子を見た結果の報告」はありません。「様子を見る~」という言葉を「何もしないで時が過ぎるのを待つ~」と解釈している人が非常に多いのです。
しかしこれは間違いであり、「様子を見る」というのは、動向を探ることです。顧客の動き、競合の動き、経済状況、営業数値などなど、「変化」を感じ取るという動きをすることなのです。お客様への直接的なアプローチをしないで、今の状況を分析することが「様子を見る」なのです。
資本力の小さい弱小店はとにかくカネもヒトも足りません。強豪店とは経営資源に圧倒的な差があるのです。しかしそれでも差がない分野もあります。それは「時間」です。与えられた時間は同じであり、この同じだけ与えられた資源の使い方でカネやヒトの差を挽回も可能です。カネを使わず、与えられた「時間という資源」を有効に使い、分析をしてください。それが「様子を見る」ということなのです。
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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。著書に「ジリ貧パチンコホール 復活プロジェクト」(幻冬舎)がある。