三木流「鉄拳エンジェルVer」の評価は?

2016.01.29 / 連載

【土曜】三木貴鎬のパチスロ機械選定セミナー

皆さんこんにちは!!85回目の連載になりました。今回は、山佐製パチスロ鉄拳3rdエンジェルVer.」(納品3/6〜)の評価です。リノのように、少し変わった変則スペックで鉄拳を作りました。果たしてどんなスペックなのか内覧会に行ってきました。

 <ボーナス>
■ボーナス:85枚(名称は鉄拳チャレンジ)

 <ボーナス確率>
■ボーナス確率
全設定共通:1/184

■AT初当たり確率
設定①:1/752
設定②:1/726
設定③:1/681
設定④:1/623
設定⑤:1/555
設定⑥:1/483

■出玉率
設定①:96.9%
設定②:98.3%
設定③:99.7%
設定④:102.0%
設定⑤:105.5%
設定⑥:110.2%

<通常時>
ベース:23G/50枚
コイン単価:3.6円

通常時は選べる3ステージ
①エンジェルモード:基本タイプ
②アーマーキングモード:完全告知
③オーガモード:チャンス告知

■タッグバトル(自力CZ)
ボーナス後に突入する可能性があるバトル。
バトル勝利でAT突入。
バトル中のボーナス当選はAT確定。

<AT>
純増2.4枚/G
ポイント制の継続タイプ

■神鉄拳ラッシュ(通常ART)
次回ボーナスまで継続の無限AT
AT中は毎G、バトルポイント獲得抽選、1Gでの獲得は最大10ポイント。
1Gで獲得出来る平均ポイントは1.6ポイント。
累計250ポイント到達でAT継続確定。
ボーナスを引かずにATが長引けば、継続しやすくなる。

 ■鉄拳ヘブン(上位AT)
ATスタート時に初期ポイントを持っているので継続しやすいAT
プレミア的なAT

■アンノウンゾーン(ATストック高確ゾーン)
次回ボーナス当選まで続きATストック高確ゾーン

 ■頭突きコンボチャンス(ATストック1G連)
ストック1G連×50%継続

■鉄拳アタック(プレミアムフリーズ )
0G連上乗せ(80%継続)+鉄拳ヘブン
期待値2500枚

<感想>
筐体は4thリール、4つボタンで5号機初期の「キン肉マン」や「バイオハザード」のような見た目。液晶演出は「鉄拳3rd」を流用している部分もあるのか、見たことのある演出が多々ありました。通常時は1/84のボーナスを引くかどうかだけのゲーム性なので、液晶演出もシンプルな仕上がりです。

スペック面でも初代の「キン肉マン」に似ています。1/84のボーナスを引いてバトルに勝利すればATに突入。ATは次回ボーナスまで継続する無限ATで、ボーナス毎に継続抽選をしています。厳密には継続抽選ではなく、AT中に内部的にポイントを貯めていき、規定ポイント数が貯まれば次回継続が確定。毎Gポイント獲得抽選を行っているので、ATが長く続けば続くほど、次回継続が確定しやすい仕組みになっています。

なぜ、4thリール、4つボタンなのかというと、ベルの押し順を24択にすることで取りこぼしを多発させベースを下げているためのようです。4つとも本物リールで、擬似リールは搭載されていません。リールの数とボタンの数は規則上3つ以上であればいくつでもいいようで、その数に規定はないようです。

ボーナス後に突入する可能性のあるタッグボーナスに勝利すればATが確定。タッグバトルの勝率は50%ですが、タッグバトルに突入する確率が1/4程度と低く、AT突入はおよそボーナスの7~8回に1度。AT突入までのハードルの高さを感じます。ストック特化ゾーンや、上位ATなど一撃性は秘めていますが、通常ATがロング継続となる確率は低く、通常ATは2~3連がメインのようです。

勝率が低い一方、差玉が出やすいギャンブル好きなユーザー向けのスペックです。継続率ものの宿命なのですが、本機の一撃フラグは「ミリオンゴッド」のように複数セットが確定するわけではなく、あくまで継続しやすいだけの仕様なのでプレミア級の一撃フラグでも単発で終わることもあるようです。

ベースが低く一撃狙いのマシンですが、ボーナス込みでも純増枚数は3枚を超えていません。ユーザー層を想定すると、同じような出玉速度の「ミリオンゴッド凱旋」や「沖ドキ」の客の回遊があると思われます。「リノ」のような純増5.0枚ぐらいのスピード感があれば飛び抜けた個性となったでしょう。

4つボタンの課題は「面倒臭さ」。販売台数は最大で5000台ですし「物珍しさで一度は打ってみたい」という動機には期待できると思います。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

三木貴鎬
1972年生まれ。中央大学商学部卒。神奈川県をはじめ、東京都や千葉県などのスロ専で勤務。グループの複数店舗を指揮する統括部長などを歴任し、2007年に独立。経験を生かしてコンサルタントに転身。2010年に都内にモデル店舗としてスロ専をオープン。現在もパチスロを中心に精力的にセミナーや講演会を行う。

パチスロ鉄拳3rdエンジェルVer., リノ, 三木貴鎬のパチスロ機械選定セミナー, 土曜, 山佐