三木流「マジェプリの化ける可能性」

2015.10.06 / 連載

【土曜】三木貴鎬のパチスロ機械選定セミナー

皆さんこんにちは!!69回目の連載になりました。今回は11/1から納品される銀河機攻隊マジェスティックプリンス」(ディライト)の評価をしてみたいと思います。フィールズが創刊している月刊誌から連載されており2013年にはテレビ放映もされたロボットアニメ版権。スロットでは全く実績のないディライトがフィールズと組んでどう変化しているのか、試打してきました。

<ボーナス>

ボーナス非搭載のAT特化タイプ

<確率&出玉率>

■AT初当たり確率

設定①:1/467

設定②:1/450

設定③:1/418

設定④:1/365

設定⑤:1/325

設定⑥:1/284

 

■出玉率

設定①:97.2%

設定②:98.1%

設定③:100.1%

設定④:104.1%

設定⑤:107.2%

設定⑥:113.0%

 

<通常時>

ベース:47G/50枚

コイン単価:2.9円(設定①)

天井:1500ゲノム(実質900~1000Gぐらい)

G数解除方式

1ゲノム=1G

レア役などで複数ゲノム獲得可能

(北斗転生のようなシステム)

■ブラストオフゾーン(ゲノム大量獲得ゾーン)

レア小役による抽選で突入

1セット7G,14G,21Gのいずれか

毎ゲームレア小役が成立

連チャン性あり

 

<AT>

純増:2.8枚/G

G数上乗せ×セットストックタイプ

■ヒーローラッシュ(通常AT)

初期ゲーム数40G~300G

上乗せタイプを5種類から選択可能

①イズル バランスタイプ

②スルガ 一撃タイプ

③アサギ 目押しタイプ

④ケイ 完全告知タイプ

⑤タマキ 貯玉タイプ

■ジュリアシステム(レア役高確率状態)

ハーモニックメーターMAX到達時に突入

レア役出現確率大幅アップで上乗せに期待

■アサルトリンゲージ(倍率上乗せ)

ジュリアシステム中の闘争本能図柄揃いで突入

ジュリアシステムで獲得したG数に獲得した倍率をかけたゲーム数が上乗せされる

化物語の倍々チャンスと同様のシステム

■パトランチャンス(上乗せ特化ゾーン)

AT終了時に突入の可能性あり

AT引き戻し確定の上乗せ特化ゾーン

■マジェスティックアタック(ロングフリーズ)

AT100G以上+3セット以上確定

<感想>

筐体は一新され見た目の雰囲気も一流メーカーの印象を受けるほど、筐体の見栄えがします。一番の特徴はリールを取り囲む“枠”自体が上下に動き、その枠が下がったときには、リール下段のさらにひとつ下の段が露出して、中段→上段、下段→中段、枠下→下段に格上げされます。左リールBAR絵柄の下はチェリーになっており、その枠が動くことで通常出目がレア役であるチェリーに変換される仕組みになっています。擬似回転を使わずに、リール出目を変換させるよく考えられた仕組みでした。液晶左には保留玉のようなランプが4つ、右側にもタッチライトを搭載、液晶前面に飛び出してくる羽型役物やリール左にはサブ液晶も搭載し、豪華な筐体に仕上がっています。

スペックは高純増、高ベースのAT特化タイプ。通常時は北斗転生のあべシステムと同じように、レア役によってG数解除を短縮していく仕組みになっています。ただ、初当たりが1/467と重く、実質平均の天井G数が900G程度ということを考えると、3回に1回は天井最深部まで連れていかれることが予測されます。同じような仕組みだったデビルサバイバーもとにかく初当たりが深く、稼動が急落しました。AT終了後の連チャン性、数珠の当たりを味わえないと、AT即止めが頻発することになります。本機の最大の弱点はその初当りの深さにあり、それ以外は実績のないディライトにしては全体的によくできた内容でした。

AT中はメーターMAXでレア役高確率となり、さらに化物語でも好評だった倍率上乗せへの移行、引き戻しチャンスもあり、ATの仕組みはうまく練られています。違うメーカーで、違う版権なら大ヒットの可能性を感じる出来なので勿体無い印象です。リール枠が動いて出目が変化するシステムも、もっとうまく活かせるはずなので、今後の新台で採用されれば注目したいところです。

本機は版権の弱さ、メーカーの弱さで新台ラッシュの時期では埋もれてしまう印象。台自体の出来は評価できても、集客や稼動には結びつかないのではないでしょうか。販売台数は1万台。中身は悪くないので、稼動を見て中古で検討する余地はありそうです。MY単価が高めで一撃性がありそうなので、コアなファンが定着すれば化ける可能性もありというところでしょうか。

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三木貴鎬

1972年生まれ。中央大学商学部卒。神奈川県をはじめ、東京都や千葉県などのスロ専で勤務。グループの複数店舗を指揮する統括部長などを歴任し、 2007年に独立。経験を生かしてコンサルタントに転身。2010年に都内にモデル店舗としてスロ専をオープン。現在もパチスロを中心に精力的にセミナー や講演会を行う。

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