三木流「ガンソードの盲点」
2015.05.12 / 連載【土曜】三木貴鎬のパチスロ機械選定セミナー
皆さんこんにちは!!
49回目の連載になりました。今回は新基準の要件を満たしているのにベースは現状のままのガンソードの評価です。最近評価を良く聞かれる機種の一つでもあります。新基準機なのに千円ベースが32Gという新システムが注目されている本機。2005年にテレビ東京で放送されていたロボットアニメが原作です。
<ボーナス>
ボーナス非搭載のAT直当たり特化タイプ
<確率&出玉率>
■AT初当り確率
設定①:1/248
設定②:1/240
設定③:1/222
設定④:1/216
設定⑤:1/198
設定⑥:1/185
■出玉率
設定①:96.8%
設定②:98.9%
設定③:99.5%
設定④:103.1%
設定⑤:106.5%
設定⑥:110.2%
<通常時>
ベース:32G/50枚
■周期融合抽選システム
①32G周期
②64G周期
③128G周期
④256G周期
複数の周期が重なれば重なるほどチャンスUP
■エルドラチャレンジ(自力解除ゾーン)
リプレイ以外の小役でポイント獲得
■幸せの時(自力解除ゾーン)
高継続率AT突入のチャンス
<AT>
純増:約2.8枚/G
1セット:18G(ラスト8G間でバトル)
継続率のみ
継続率:77%~98%
7の倍数のセットは自動的に継続確定
レア役で継続率UP抽選
■OVER FLOW(3セット継続保障)
AT中のカギ爪絵柄揃いで突入
3セット目以降は50%継続
<感想>
筐体は最近のKPEのものと同様ですが、専用筐体となっており液晶左にサブ液晶が搭載されており、それがメイン液晶の前面を自由に動き演出を盛り上げます。高砂系の液晶演出のクオリティは基本的に高く、本機も演出の作りこみはしっかりしており、完成度が高い仕上がりでした。
スペックは新基準機なのにベースが32G/千円と低く、旧基準機と変わらない仕様になっています。左リールのBAR付近の9コマを目押しすることによって、意図的に取りこぼしを発生させ、その取りこぼしでAT抽選を受ける仕組みになっています。
つまり、フリー打ちではベースが50~60G回って初当たりも重い「麻雀物語3」のようなゲーム性になりますが、目押しで意図的に小役を取りこぼすと旧基準と同様のベース、初当たり確率に変化するということです。規則の盲点を突いた仕組みで、今後の他メーカーの新台への応用も期待できるのではないでしょうか。これは新しいシステムですが、ただ旧基準と同様のスペックになるだけなので目押しが求められる分、打ち手を選ぶだけで良いシステムかどうかはまだ判断しかねます。
ゲーム性は1セットが18Gと短い継続率のみの連チャン重視のAT特化タイプとなっています。継続率のみのATでは「いつ終わるか」というビクビク感をAT中に味わうことになります。最も近いゲーム性は2027シリーズでしょうか。2027自体、液晶演出の出来もよく、ART中のストーリー展開などの作りこみも良い台でしたが、シリーズを重ねるごとに稼動は落ちており、やはり1セットが短い継続率タイプの限界を感じてしまいます。
通常時は周期抽選がメインで4つの周期が重なれば重なるほどチャンスUPとなる新しいシステムですが、複雑で理解するのに時間がかかりそうです。AT中は、レア役が継続率UP抽選となるだけで、継続率がUPしたかどうかは曖昧で、レア役を引いたことによる達成感は感じられませんでした。継続するかどうかの8G間のバトルは「北斗の拳」を意識したバトル展開です。
液晶演出やサブ液晶の動きがよく、新システムも搭載されているのは良い評価ですが、通常時の抽選システムが複雑で毎G目押しが必要なこと、1セット18Gと短いATで継続率のみのタイプというところは客層を選びそうです。
高砂系の新台は最近では大コケがありません。本機は最低2台からの条件になりそうとのことです。今の時代に2027を導入するかどうかといった視点が必要になりそうです。
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三木貴鎬
1972年生まれ。中央大学商学部卒。神奈川県をはじめ、東京都や千葉県などのスロ専で勤務。グループの複数店舗を指揮する統括部長などを歴任し、 2007年に独立。経験を生かしてコンサルタントに転身。2010年に都内にモデル店舗としてスロ専をオープン。現在もパチスロを中心に精力的にセミナー や講演会を行う。