ユニバーサルE Okada Manila 冨士本社長が比大統領と面談「高度臨床医療センター計画」

2019.12.08 / カジノ
2019-12-08

【海外ニュース】

12月4日、ユニバーサルエンターテインメントは、フィリピン共和国マニラ市において、同社の冨士本淳・代表取締役社長が、ロドリゴ・デュテルテ大統領と約1時間の会談を行い、同社よりIR事業(Okada Manila)を説明した発表。

ユニバーサルエンターテインメントの説明内容は、
「Okada Manilaの第1フェーズはほぼ完成」
「今後、コンドミニアムなど不動産開発、ブランドホテルの誘致、医療分野では世界最先端の検査医療設備を導入した高度臨床医療センターなどの計画を推進」

大統領は、説明に理解を示し、フィリピンでの不正行為や癒着等の徹底的な撲滅に全面協力すると述べた。

ユニバーサルE Okada Manila 19年度3Q 売上高182億円, 収支均衡に到達~開業後3年弱

11月12日、ユニバーサルエンターテインメントは、2019年度3Q業績を発表。

統合型リゾート(IR)事業セグメント(主に、フィリピンのIRであるOkada Manila)の3Q(7-9月)業績は、売上高182億円,YoY49%増, 調整後EBITDA 38億円,YoY3.5倍, 営業損益0億円(前年同期17億円の赤字)。

ユニバーサルエンターテインメント連結 2019年3Q累計(1-9月)業績:
・売上高935億円,YoY40%増, 営業利益14億円(前年同期145億円の赤字), 株主帰属当期損益57億円の赤字(同1,680億円の黒字)
・前年は、2018年3月、Wynn Resorts社株の権利放棄対価(26億3,200万ドル)に伴う利益を、営業外収支および特別損益に計上
<セグメント別>
・遊技機事業:売上高424億円,YoY34%増, 営業利益102億円(前年同期19億円の赤字)
・統合型リゾート(IR)事業:売上高496億円,YoY47%増, 営業損益18億円の赤字(同48億円の赤字)

同日、ユニバーサルエンターテインメントは、Okada Manila(運営会社:Tiger Resorts Leisure and Entertainment)の10月実績を発表。

10月単月は、売上高はPHP3,683mn,YoY30%増, 調整後EBITDAはPHP636mn,YoY71%増。好調ペース持続。

ユニバーサルエンターテインメント 連結 統合型リゾート(IR)事業セグメント
(主としてOkada Manila)業績動向および施設概要

<年度>
・2018年12月期:売上高489億円, 調整後EBITDA 41億円, 営業損益62億円の赤字
・2017年12月期:売上高161億円, 営業損益90億円の赤字

<四半期>
・2019年7-9月:売上高182億円, 調整後EBITDA 38億円, 営業損益0億円(収支均衡)
・2019年4-6月:売上高146億円, 調整後EBITDA 24億円, 営業損益13億円の赤字
・2019年1-3月:売上高168億円, 調整後EBITDA 28億円, 営業損益5億円の赤字
・2018年10-12月:売上高151億円, 調整後EBITDA 27億円, 営業損益14億円の赤字
・2018年7-9月:売上高122億円, 調整後EBITDA 11億円, 営業損益17億円の赤字
・2018年4-6月:売上高127億円, 調整後EBITDA 2.6億円, 営業損益16億円の赤字
・2018年1-3月:売上高89億円, 調整後EBITDA 0.2億円, 営業損益14億円の赤字
・2017年10-12月:売上高72億円, 営業損益20億円の赤字
・2017年4-9月:売上高89億円, 営業損益71億円の赤字

Okada Manila 施設概要
・全4期構成 完成は2019年末を想定 総投資額は40億米ドル、用地面積44ha 
<第1期>
・2016年12月にソフトオープン、2018年早々にグランドオープン
・投資額24億米ドル、用地面積22ha(全体44ha)
・従業員数 8000名以上
・施設概要
-カジノフロア 26,410㎡(テーブル500台、電子ゲーム3,000台)
-ホテル 993室、エンタテインメントスペース8,361㎡
-ビーチ/ナイトクラブThe Cove(4,500人収容)
-ショッピングモール8,409㎡(50店舗)、飲食21店舗

 

Okada Manila 大屋社長「二つ目のIR視野。日本資本として日本重視」

・7月6日、マカオ大学・立教大学オープンフォーラム「日本統合型リゾート~健全社会のIRを目指して」に、タイガーリゾートレジャー&エンターテインメント取締役社長の大屋高志氏が登壇
・日本参入について以下を発言
「Okada Manilaは、日本に親和性が高いIR施設(ハード・ソフト)」
「今年で開業3年目を迎え、黒字化が見えてきた。二つ目のIR開発に進みたいと考えている」
「ぜひ、IRを通じて、地域振興だけでなく、その地域の価値を高めるブランディングにも貢献したい」
「我々は、日本資本のIR事業者として、日本市場を重視。日本のブランディングに強みを持つという自負」

ユニバーサルE Asiabest社を買収 Okada Manilaのフィリピン証券取引所への裏口上場

2月4日、ユニバーサルエンタテインメントは、フィリピンのAsiabest Group International Inc.(フィリピン証券取引所上場)の株式取得(孫会社化)が完了したと発表。

ユニバーサルエンタテインメントは、TOB(株式公開買い付け)を通じ、Asiabest Group International株式の66.6%相当を、約6.5億フィリピンペソ(約13.5億円)で取得した。
Asiabest Group International社は、株式をフィリピン証券取引所に上場するものの、長期にわたり事業を行っていない(不動産投資業)。

買収目的は、Okada Manila(運営会社:Tiger Resorts Leisure and Entertainment)の上場。
ユニバーサルエンタテインメントは、今後、Okada Manilaを、Asiabest Group International社の所有下に移す方針(バックドアリスティング)。ただし、上場はゲーミング規制当局(PAGCOR)の承認が前提となる。

2018年9月11日、ユニバーサルエンタテインメントは、Asiabest Group International社の買収方針を公表。

Okada Manila ユニバーサルEが中国顧客開拓に現地旅行社と提携~日本IRの参考に

1月24日、ユニバーサルエンターテインメントは、フィリピンのIRであるOkada Manilaへの送客を目的に、中国の国営3大旅行代理店である中旅との間で基本合意を締結を発表。
今後、基本合意のもと、両社は、中国市場向けOkada Manilaを含む、観光ツアー商品の企画開発の協議を開始する。

ユニバーサルエンターテインメントは、Okada Manilaの運営子会社であるTiger Resorts Leisure and Entertainment(TRLEI)の株式の99.9%を所有。

中国では、海外カジノ運営者が、直接、顧客を募集することは禁じられている。ゆえに、IR事業者の中国におけるマーケティングは、旅行代理店やジャンケット・エージェントなど現地事業者の活用が基本となる。

ユニバーサルエンターテインメントによるOkada Manilaへの中国顧客の開拓戦略は、日本のIRに参考となろう。

なお、一部のIR関係者は、日本のIR事業展開において、海外IR業者が持つ「中国人VIPリスト」を重要と考えるようだ。
一方、カジノIRジャパンでは、海外IR業者が持つ「中国人VIPリスト」は、日本のIR展開において、クリティカルな要素ではないと考えている。

理由は、
1)中国VIP人向けマーケティングは、原則、中国現地業者が主体的役割を担う
2)高度なIRでは、マスが利益源。マカオ・コタイ、シンガポールのIRのキャッシュフロー(EBITDA)では、VIPの構成比は2割あるいはそれ以下と小さい
3)実際、アジア各国では、主として、現地資本(マカオで事業を持たない、)がIR事業を担う

Tiger Resorts(比 Okada Manila運営, ユニバーサルE子会社)日本支店開設~日本IR調査、顧客誘客

・9月19日、ユニバーサルエンターテインメントは、Tiger Resorts Leisure and Entertainment(フィリピンOkada Manila運営子会社)が、日本支店を開設すると発表
・法人名は「タイガー リゾート レジャー アンド エンターテインメント インク日本支店」(所在地はユニバーサルエンターテインメントと同じ)
・日本支店開設の目的は、日本IR事業機会の調査、OkadaManilaへの営業窓口(顧客誘致、マーケティング)
・ユニバーサルEは、フィリピンIR事業を、2019年にも株式公開させる方針。エクイティストーリーの一環としての狙いもあろう

ユニバーサルエンターテインメント 経営

ユニバーサルE Okada Manila 岡田和生氏 比, 東京で相次いで敗訴~経営権奪還遠のく

7月18日、フィリピン現地メディアが、相次いで、ユニバーサルエンターテインメント創業者であり、同社経営陣から更迭された岡田和生氏による裁判の動きを報じた。

岡田和生氏のユニバーサルエンターテインメント、Okada Manilaの経営権奪還の可能性が遠のいたと考えられる。

ポイントは、
・フィリピン、日本の裁判所がそれぞれ岡田和生氏の主張を却下
・7月4日、フィリピンのパラニャーケ地方裁判所は、岡田和生氏による、逮捕状の停止の訴えを却下
・7月10日、東京地方裁判所は、岡田和生氏による息子(知裕氏)と娘(裕実氏)の間のOkada Holdings議決権信託契約の無効の訴えを棄却

2019年1月4日、フィリピン・パラニャーケ地方裁判所は、岡田和生氏氏に逮捕状を発行。容疑は、TRLEIの役員報酬およびコンサルティング料の不正受給。

Okada Holdingsは、岡田ファミリーのユニバーサルエンターテインメント株式の保有会社であり、ユニバーサルエンターテインメント株式の約68%を所有。
Okada Holdingsの株主構成は、岡田和生氏が約47%、知裕氏が約42%、裕実氏が約10%。
和裕氏と裕実氏の二者間の信託契約の結果、知裕氏が議決権の約53%をコントロールする。

ユニバーサルE フィリピンにおける岡田氏, 臼井氏の刑事訴追 適格性審査への影響なし

1月7日、ユニバーサルエンターテインメントは、リリースを発表。

同社の元取締役会長である岡田和生氏、フィリピンのIR運営子会社Tiger Resorts Leisure and Entertainment(TRLEI)の元代表取締役社長である臼井孝裕氏のフィリピンにおける刑事訴追は、OKADA MANILA運営、Asiabest Group Internationalの株式取得、ユニバーサルエンターテインメントとTRLEIおよび関係者の適格性審査に何ら影響を及ぼさないとした。

両氏は、2018年12月にフィリピンの検察当局に起訴され、2019年1月4日にはパラニャーケ地方裁判所から逮捕状を受けた。容疑は、TRLEIの役員報酬およびコンサルティング料の不正受給。

両氏とも2017年6月に、ユニバーサルエンターテインメントおよびTRLEIの役職を失った。現在、両氏はTRLEIの経営に関与していない。

ユニバーサルE 株主還元再開へ~海外IR事業開花。Wynn和解, Okada Manila拡大&上場計画

10月3日、ユニバーサルエンターテインメントは、株主還元を再開する方針を明らかとした。

同社は、Wynn Resorts社との紛争、Okada Manilaへの先行投資と先行き不透明、そして、パチスロ事業環境の激変を背景に、無配を継続してきた経緯がある。

ここにきて株主還元を実施する方針とした背景は、Wynn Resorts社との和解および和解金の取得、Okada Manilaの稼働と上場計画である。
長年にわたり、粘り強く取り組んできた海外IR事業が、先行投資期から実を結ぶ時期に入ってきた。

株主還元の手段には、復配、自社株買いがあるが、具体的な施策(手法や量)は今後検討する方針。

なお、同社は、自社株買いをしにくい状況にある。市場からの自社株買いは、紛争相手である岡田和生氏と関係が深い、岡田HDの議決権比率を増すため。

ユニバーサルエンターテインメントの最大かつ支配株主は、岡田HD(ユニバーサルエンターテインメント株式の約68%を所有)である。
岡田HDは、岡田家の資産管理会社である(株式所有:岡田和生氏=46.4%所有、長男=41.5%、長女=9.8%)。
現在のところ、岡田和生氏の長男が、岡田HDの経営権、および、保有するユニバーサルエンターテインメント株式の議決権をコントロールする。
しかし、岡田和生氏が、岡田HDの経営権を取り戻せば、保有するユニバーサルエンターテインメント株式の議決権も取り戻すことになる。
岡田和生氏の追放の背景は、岡田HDの意思決定における長男と長女の造反であった。

ユニバーサルエンターテインメント、岡田和生氏の紛争~岡田和生氏の役職はく奪の経緯

2017年6月8日、ユニバーサルエンターテインメントは、重大なガバナンス違反(不正な資金流用の可能性)を理由に、取締役会長である岡田和生氏の権限を停止すると発表。併せて、外部弁護士で構成する特別調査委員会を設置すると発表。

6月16日、Okada Manila(運営子会社Tiger Resorts Leisure and Entertainment)は、岡田和生氏をボード議長から更迭すると発表。

6月29日、ユニバーサルエンターテインメントは、株主総会を開催し、岡田和生氏を会長職から更迭した。

ユニバーサルエンターテインメントは、岡田HDを支配株主とする(ユニバーサルエンターテインメント株式の約68%を所有)。
岡田HDは、岡田家の資産管理会社(株式所有:岡田和生氏=46.4%所有、長男=41.5%、長女=9.8%)。
岡田和生氏の追放の背景は、岡田HDの意思決定における長男と長女の造反。

以下は、岡田和生氏による主張(新潮社へのインタビュー。2017年12月14日, 20日配信)。
・ユニバーサルエンターテインメント社の現経営陣が岡田和生氏を更迭、提訴した主張は、事実に基づかない
・ユニバーサルエンターテインメント社の現経営陣は、1年ぐらいかけてクーデターを画策
・ユニバーサルエンターテインメント社の現経営陣は、岡田和生氏の長男と長女を説得し(岡田HDの議決権行使において、)、岡田和生氏を解任した
・現時点では、長男は雲隠れ中。岡田和生氏は、長女と和解したものの、長女の議決権は長男に30年間の信託契約が締結されていた
・岡田和生氏は、長女の議決権の長男への信託契約は無効と主張(無効の場合、岡田和生氏は、岡田HDの議決権の過半をコントロール)

2018年4月2日、ユニバーサルエンターテインメントは、以下を発表。
・ネバダ地方裁判所において、岡田和生氏およびAruze Gaming America(岡田和生氏の所有下)を特許侵害で提訴
(5月14日、訴訟の対象の地域を、米国、マカオ、フィリピン、香港に拡大)
・「岡田会長を応援する会」と題するサイトの情報が虚偽であること

2018年5月、フィリピン現地メディアによれば、フィリピンの検察当局は、岡田和生氏に対する、詐欺および偽証の訴えを却下。
訴えは、Okada Manilaの運営子会社Tiger Resorts Leisure and Entertainment(ユニバーサルエンターテインメントが株式の99.9%を間接所有)が、2018年1月に起こした。
岡田和生氏は、検察当局の決定を歓迎。そのうえで、訴えは、ユニバーサルエンターテインメントの岡田和生氏の社会評価を低める戦略と主張。
一方、Tiger Resorts Leisure and Entertainmentは、検察当局に対して、担当検察官にバイアスがあり、公平な判断でないと主張する動議を提出。

ユニバーサルエンターテインメント、Wynn Resorts社との和解

2018年3月9日、ユニバーサルエンターテインメントは、Wynn Resorts社との訴訟についての和解を発表。

Wynn Resorts社は、2018年3月末までに、ユニバーサルエンターテインメントに、Wynn Resorts社株の権利放棄対価として、26億3,200万ドルを支払った。一方、ユニバーサルエンターテインメントらは、Wynn Resorts社らへの訴訟を取り下げた。

2012年2月に、Wynn Resorts社が、一方的に、アルゼUSAが所有していたWynn Resorts株式(発行済株式数の19.6%)の強制ディスカウント償還(償還対価:額面19億ドル、金利2%、10年満期の約束手形)を実行。ユニバーサルエンターテインメントらは、その無効を主張していた

2018年4月2日、ユニバーサルエンターテインメントは以下を発表。
・Wynn Resorts社との協力関係。今後、フィリピンのOkada Manilaの運営に対し、ウィンリゾーツが人的資源の参加協力 
・Wynn Resorts社株式の権利放棄対価を活用し、海外私募債(Okada Manila開発に充当)13億ドル強の買戻し、期限前償還

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