いよいよ到来!年末年始営業、過去とは変わった部分を見る

2018.12.22 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(193) 年末年始(2)

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。今日は今年最後の3連休の中日、今週末からいよいよ年末年始営業期間に入ります。先週の連載では「年末年始は利益偏重営業ではなく、いつも通りの営業が望ましい」とお伝えしました。「過去のように大幅な稼働増が期待できないのだから、年末年始という期間の捉え方を変えてほしい」というものです。今回はもう少し、その「過去とは変わった部分」を見てみます。

年末年始というのは通常よりも稼働が見込めるので、当然「利益確保の機会」というのがこれまでの常識でした。年末年始という大型連休でしっかりと利益を確保するのです。もちろん利追求営業を長期間続けると連休後に反動が出てしまうので、連休後にはそれを原資にした大型入替と放出営業で離れそうになったお客様を戻すようにしていました。しかし現在は遊技機の魅力の低下もありなかなか思うような回復が難しくなっています。今こそ、「(年末年始を含む)大型連休期間への認識、位置づけ」を変える時だ、と思います。

たしかに年末年始が「利益確保が重要な期間」というのはその通りです。しかし現在の年末年始期間は、その後の営業の種まきにも位置付けられる重要な期間となっています。なぜなら現在の大型連休中というのは過去とは違い、普段来店することのないお客様が増えることによる稼働増の期間ではなく、単にいつものお客様が「まとまって、同じ日にち、時間帯に来店される」からの稼働増だからです。これが「過去とは違う部分」です。この、いわゆる「常連さん」から多くの利益を確保すれば、当然連休後は資金的なことから来たくても来れなくなりますし、また心情的にも「あそこは出さない」となって行く気も失せてしまうでしょう。だからこそ、年末年始期間は「いつもと同じ」営業で(同じ玉利益、利益率で)、稼働増による利益増を志向してほしいのです。

「不易流行」という言葉があります。「不易」とは変えてはいけないこと、「流行」とは変わるべきことです。企業が永続するために利益が必要なことは変わらないけれども、その確保の手法は環境の変化とともに変えていくべき(変わるべき)です。「年末年始という機会」を利益確保の機会ではなく顧客獲得の機会と捉えるように、思考を変得てほしいと思います。


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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。著書に「ジリ貧パチンコホール 復活プロジェクト」(幻冬舎)がある。

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