【連載】日本進出を狙う海外カジノ〜その4〜

2014.08.05 / カジノ

【第4回】ウィン・リゾーツ

ウィン・リゾーツの創業者でありCEOのスティーブ・ウィンは、ラスベガスで高級リゾートを次々に成功させた大物だ。ウィンは、米メリーランド州で亡父が遺したビンゴ運営の仕事で成功し、ラスベガスに移住した。ラスベガスではいくつかのカジノの所有権を取得して力を蓄え、その後、老朽化していたカジノ「ゴールデン・ナゲット」を改修して成功をおさめ、本格的にカジノリゾート開発に着手した。
1989年、ウィンはカジノホテル「ミラージュ」を建設し、高級感あふれる宿泊施設と噴火する火山のアトラクションなどで人気を博した。「ミラージュ」の高級路線の成功は、ウィンの名声を一気に高めるとともに、その後のラスベガスの開発に大きな影響を与えることとなった。その後、シルク・ド・ソレイユをラスベガスに招致した「トレジャーアイランド」、映画「オーシャンズ11」で有名となった「ベラージオ」を建設。巨大な人口池や美術館並みの収蔵品を集めたギャラリーなど、ラグジュアリーを売りにした豪華なリゾートとして、今でも観光客の人気スポットとなっている。その後、これらのリゾートをMGMグランドに売却し、2002年にウィン・リゾーツを設立。2005年には「ウィン・ラスベガス」を開業、続いて翌年にはマカオで「ウィン・マカオ」を開業した。
現在はマカオのコタイ地区で2016年開業予定の新リゾート「ウィン・パレス」の工事が勧められており、マカオでさらなるシェアの獲得をめざしている。スティーブ・ウィンはインタビューのなかで、「ウィン・パレスは、今までで最も重要なプロジェクト。これまでのビジネスで学んできたもの全てをこのプロジェクトに投入する」と意気込みをみせている。前回紹介したラスベガス・サンズ同様、ウィン・リゾーツも収益の軸足はマカオ。中国市場無くしては大きな成長は見込めないが、日本進出に対する意欲も充分だ。同社執行役員のガマル・アジズは、ロイターのインタビューに対し「今回は(日本のカジノ解禁が)本当に実現することを望んでいる」と述べ、日本に建設する施設に関しても「象徴的な建築物にしたい」と話している。

■主な運営施設
 [米国]ウィン・ラスベガス/アンコール
 [マカオ]サンズ・マカオ/アンコール
■売上規模(2013年)/56億2000万米ドル(約5780億円)
■営業利益(2013年)/12億9000万米ドル(約1330億円)
■従業員数/約16,500人

※写真は「ウィン・マカオ」

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