【水曜】第82回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2015.11.25 / 連載

第82回 SUPER小当りRUSHは可能性あり

「新しいジャンルの遊技機」として発表されていた「SUPER小当りRUSH機能搭載機」。4月のニコニコ超会議における日遊協ブースに参考展示され、早ければ6月からホールに登場するということで新しいもの好きの筆者は期待しておりました(特にニコ超にはソルジャーベースの機械があっただけに……)。しかし待てども待てども正式発表するメーカーはなく、やっと11月中旬になって西陣の「CR交響詩篇エウレカセブン〜真の約束の地〜アネモネVer.」が導入されるはこびになりました。甘デジということでSUPER小当りRUSHでの獲得玉数もそれほど多くなりそうもありませんが、それでも待望の初実戦。あらかじめショールームでは触っていましたけど、やはりホールに設置された状態で打たなければ本当のところはわかりませんから。

結果、筆者の感想は「まだ試行錯誤の段階ではあるけど可能性はあるぞ」という感じでしょうか。右打ち中に頻繁にアタッカーが開放しつつしっかり玉が 増えていく感覚はこれまでなかったもので、「新しいジャンル」の遊技機であるのは間違いないと思います。ただ「アネモネver」.はアタッカーの賞球 が10個、かつSUPER小当りRUSHでの獲得期待値は大当りでの獲得を超えないという規定があるので、モリモリ増えるというところまでではありませんでした。また右打ち時の出玉をSUPER小当りRUSHに振りまくっているため大当たりとの絡み具合もイマイチで、さらにアタッカーの 拾いもあまり良くなく、それなりに続いたけど最終獲得出玉はイメージしていたほどではないかなと。

ただこれを甘デジではなくライトミドルくらいにして、かつSUPER小当りRUSHで増やしながら大当りで一気に増えるというイメージになれ ば、かなりの出玉感も実現できそうです。また演出で大当りと小当りをうまく混在させれば、パチスロのA+ART機みたいな形にもできるし、 (「アネモネver.」でも使われていますが)演出上だけではない本当の上乗せの楽しさも見せられるかなと。さらにゲージ次第でイライラ感も解消でき るし、通常時の右打ち対策もいけそうです。もちろんメーカーさんの優秀な開発者さんは色々なことを考えていると思いますし、射幸性だけではなく ゲーム性の部分でも新しいことができる機能だからこそ、これからもっと注目されるんじゃないでしょうか。

最後に個人的な感触として、小当りでダラダラ増えていく様子はかつての一発台に近んじゃないかという感覚を覚えました。今のようなセブン機ばかり ではなく、例えばデジタルを回すまでのハードルは高いけど回してしまえば大当り確率1/1で、後は右打ちで餃子の王将のように5000発以上出 る。そんな機械の復活にも期待したいです。

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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵

学生時代にパチンコ・パチスロの魅力に取りつかれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるず ると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続 中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp

交響詩篇エウレカセブン, 喜納臭蔵, 水曜