【水曜】第77回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2015.10.21 / 連載

第77回 都合の悪いことこそ明示すべし

11月2日、都内ホールの等価交換廃止が近付いています。10月上旬からは都遊協フォーマットの告知ポスターも掲示され、多くのホールではカウン ター前だけではなく精算機の上といった目立つところに置かれているようで、ちょっと表現が違うかもしれませんが「力が入ってるな」と感じます。これまでは休業する時でさえ、当日まで、ましてや最終日になっても平気で明日のご来店お待ちしてますなんていうのが当たり前だった業界にしては考えられないほどに(逆に、閉店なんかしないのに一年中閉店セールをしているような業界もありますけど)。

無用なトラブルを避けるためにも、また貯玉している人に損をさせないためにも周知徹底は当然のことなんですが、なかには組合側がチェックするから仕方なくという感じで、とりあえず掲示しましたレベルのホールもあるようです。それで貯玉している分を新しい交換レートになれば、ホール側は丸儲けですからね。その際に若干のトラブルがあったとしても、「決まったことなんで」といってゴリ押しすれば済むと考えているんでしょう。そんなことをしても大事な常連客を失ってしまうだけなのに、目先の利益を優先しちゃうんですね。そのホールだけの話ならまだしも、きっとそんな目にあった人は業界全体への不信感を強めるのは間違いなく、真っ当にやっているホールにはいい迷惑です。

逆に、景品交換時にカウンター下のポスターを指差しながら「この件についてご存知でしたか」と店員さんが声を掛けてくれるところもありました。告知する必要があるなら徹底して行うという方針には好感が持てます。等価交換廃止が最終的に客側のデメリットになるかどうかはホールの調整次第ですが、換金率が下がるのは単純に考えればイメージが良いものではありません。これまでも交換率を上げる場合には「好感度アップ」なんて誇らしげにアピールしていたのに(もちろん回らなくなることについては、ダンマリです)、それをポスターの掲示だけでお茶を濁さず、ホール独自の取り組みとして声掛けで念を押すというのは、見習う部分も多いのではないでしょうか。

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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵

学生時代にパチンコ・パチスロの魅力に取り付かれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるず ると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続 中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp

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