【水曜】第75回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2015.10.07 / 連載

第75回 手打ち式を使う自信はありますか?

新しいメーカーから、手打ち式のパチンコが発表されました。実に40年ぶりとのことで、思えば筆者がパチ屋通いを始めた30年以上前には既に手打ち式は絶滅したんだなと。今はなき大阪新世界の名店で打ったことはあるものの、今の時代に復活させるのはかなりのチャレンジだと思います。なにしろパチンコの醍醐味は数字が揃うことなんていう人が当たり前になっている時代。いやいや、そうじゃなくて玉の動きがこそパチンコだろと考える筆者のようなファンが少数派になった現在、どこまで受け入れられるのか予想もできません。ただぶっこみを狙うだけではなく、一発一発狙いを定めて打ち出しをコントロールするという高い技術介入性も、打ってみたいとは思いますけどどこまで耐えられるのか。射幸性的にも極めてローリスクローリターンで、羽根モノがMAXタイプに思えるほど。それでも繰り返しますが、今の時代にこれを復活させる姿勢はリスペクトしたいですし、一定の成功を収めて欲しいものであります。

ただファン的にどうこうではなく、これをホールがちゃんと使えるのかどうか。ただヘソを開け閉めすれば良いのではないゲージを作れる人間が、果たして今のホールにいるんでしょうか。デジタルに頼らずゲージで遊ばせるというのは、使う側にも極めて高い技術が必要ですし、羽根モノでさえまともに遊ばせてくれるような台がほとんどない状況で、普通機を使いこなすのは難しいと思います。さらに近年では考えられないくらいに低い玉単価や玉粗になると予想されますが、そういう機械を営業的に許容できるのか。もしこれら全てをクリアしてちゃんと使うホールがあるとしたら筆者はそれだけで優良店だと認めたい気持ちですし、そう考える人も少なからずいるのかなと思います。ひょっとしたら40年ぶりの手打ち式は、ホールにとって大きな試金石になるのではないでしょうか。

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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵

学生時代にパチンコ・パチスロの魅力に取り付かれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるず ると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続 中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp

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