【水曜】第69回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2015.08.26 / 連載

第69回 増えた、といっても…

遅ればせながらレジャー白書2015を読みました。やはり業界内での話題は、参加人口の増加ということになるんでしょう。昨年の一千万人割れが ショッキングだっただけに、大台を回復したばかりか、一昨年をも越えるデータになっており、安堵する声もあちこちから聞こえます。でも複数の店長 から話を聞くと、参加人口が回復したという実感がないばかりか、さらに悪くなっているという意見も。少子化で分母となる人口が減り続け、同時に可 処分所得も上向かない以上(アベノミクスw)、基本的には先細りの業界だと思うので、あまり今回の結果を楽観視すべきではないというのが筆者の考 えです。

それでもここ最近なかった明るい話題として、前向きになるのは悪いことではないでしょう。ただそこで勘違いをしたらいけません。ファン拡大への取 り組みは今後も継続すべきだし、さらなる施策(不毛なイベントは、とても施策とは言えませんから)も必要かと思います。この業界を潤してくれる原 資は全てファンの財布から出ているんだと再認識すれば、ファンありきの営業をするのは当然のこと。ヘソを開け設定を入れるなんていうのは改めて言うまでもなく、他にも不快感しか与えないようなマニュアル通りの接客とか、こんなところにお金を使ったら出玉なんか期待できないよなという無駄な 新台や設備といったものも削減していくべき。本稿で何度も書いていますが、ホールの都合ではなくファン目線での営業こそ、ファンを増やす最も重要 な施策ではないでしょうか。そしてこれまた何度も書いてますが、経営者や管理者といった立場にある人は、事務所で数字だけ見るのではなく、ホール に立って、また自分でも打ちに行って、ファンの立場で物事を考えて欲しいと思います。

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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵

学生時代にパチンコ・パチスロの魅力に取り付かれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるず ると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続 中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp

 

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