【水曜】第68回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2015.08.19 / 連載

第68回 この熱気が少しでもホールに還元されれば

コミックマーケット、通称コミケは今年で40周年とのこと。年々規模が拡大していて、筆者が取材に行くようになってまだ5〜6年ですが、それでも回を重ねるごとに人が増えているなと実感させられます。小さなライブハウスで前の方にいくともみくちゃになりますが、会場全体がそんな状態という感じで「熱気ムンムン」という言葉がこれほどピッタリな場所は、ちょっと他には見当たりません。

人が集まるところにはビジネスチャンスもあるということで、多くの企業も参加。アニメやゲームといったオタクをメインターゲットにしている関連企業だけではなく、イメージアップを狙ったり訴求力を高めようと、異業種も積極的に参加。ファン層がリンクしているニコニコ超会議でも定番になった自衛隊なんかは、その最たる例でしょうか。当然、パチンコ・パチスロ業界も「萌えキャラ」でオタクをターゲットにしている現在、異業種というよりは関連企業といった形で出展するのが恒例になっています。聞いた話では企業ブースの枠が決 まっているため、落選して出展したくてもできないメーカーもあるとか。これと決めたところには惜しまず金を注ぎ込むオタクは、今やあらゆる業界からターゲットにされていますし、実際に少なくないフィードバックがあったりします。多くのホールで「萌え」コーナーが設けられたり、秋葉原みたいな場所では 完全に「萌え」に特化したり等々。

なんてことを会場で汗まみれになりつつ考えているんですが、それにしても今年は暑かった。筆者が行った初日は18万人の来場者だそうで、いくら広い東京ビッグサイトといっても、それだけの人数が集まったらたまったものではありません。目的のブースに着くまで一苦労、また会場から出るのもまた一苦労。昔の新装開店はこれくらい盛り上がっていたなと思いつつ、この来場者すべてがパチンコ・パチスロファンになってくれれば業界も熱気を取り戻せるのになと、もみくちゃになりながら妄想しました。

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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵

学生時代にパチンコ・パチスロの魅力に取り付かれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるずると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp

喜納臭蔵, 水曜