【水曜】第65回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2015.07.29 / 連載

第64回 上野でマカオに遭遇

いつも通りに上野村をブラブラして、暑さでやられそうだったので浅草通りを渡って(プロントとは違って、業界関係者が少ない)ドトールで涼もうかなと信号待ちをしていたら、マカオのアドトラックを発見。グランドリスボアにベネチアンにギャラクシーと見慣れた風景で彩られた 広告は、やっぱりパチンコ業界関係者を狙っているんでしょうか?

ラスベガスやマカオへ、研修旅行を行うホール企業も多いみたいです。はたして本当に研修なのか、それとも慰安なのかはさておき、カジノの本場とい われる場所へ行くことは筋が通っているように思えます。でも本当にそうなのか、冷静に考えると若干の違和感があるんですよね。同じギャンブル(パチンコ・パチスロは、あくまで「遊技」ではありますけど)の場であるのは違いありませんし、装飾なんかは参考になる部分もあるでしょう。でもカジノは観光客をメインターゲットにした、非日常的な「ハレ」の場であるのに対し、ホールは大衆娯楽として日常に密着した「ケ」の場だと思うんです。 むろんホールは「ハレ」の場でありたいと考えていると思いますし、だからこそ有名カジノリゾートを視察するんだと思いますが、ファンの多くは会社 帰りや暇つぶしといった「ケ」の延長という人がほとんどのはず。そのギャップが、なんとなく今のホールに対する違和感になっているのかなと。接客 や装飾も、度を超えれば居心地は悪くなります。それよりもアミューズメントだのエンターテインメントだなんて勘違いしていない、昔ながらの「パチ屋」と呼びたくなるようなホールが好きな人も少なくないのではないかと。

「ケ」の場として確立されていた以前のホールは、地元密着とあえてうたうまでもなく、地元の人たちの社交場になっていました。コンプライアンス的に問題があるのは間違いありませんが、子供の楽しい遊び場でもありました。大衆娯楽の原点に立ち返るなら、「ハレ」の場ではなく「ケ」の場である べきかなと思いますし、そういう意味ではカジノリゾートは相反するものと視察するのも良いのではないでしょうか。

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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵

学生時代にパチンコ・パチスロの魅力に取り付かれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるず ると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続 中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp

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