【水曜】第60回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2015.06.24 / 連載

第60回 聞かれても困るんです

パチンコやパチスロ雑誌に関わる仕事をしている筆者ですが、そのことが知られると「どの台が面白い?」なんてことを聞かれます。これ、実は非常に 答えに窮する質問なんですよね。それなりに打っていそう人なら、スペックを絡めつつ好きそうな機種をいくつかピックアップすることもできますが、 現時点でファンでない人にはなんと言ったらいいのか考え込んでしまいます。ファン人口を増やすためにも自信を持って「これを打てばいいですよ」な んて勧めたいところですが、今の状況を考えると「今さら打たなくてもいいんじゃない」なんて言いたくなったりして。

昔みたいに1万円あれば半日くらい遊べた時代なら、初めて打つ人を誘って、仮に負けても笑い話になります。でも今は数万円が数時間で飛んでいく時 代。さらに潜伏だの前兆だの、当たっているのに出玉がないことも普通になっているのでは、気軽に誘えないし勧めらないし、どの機種が面白いだなん て言えませんよ。1パチ5スロがあるとはいえ、そちらはよっぽど回らないし設定も期待できない。延々とデモ画面を見せられりハマったりしたら、 ファンになるなんて期待できっこないですから。

減り続けているファン人口、今ホールの稼働を支えているのはヘビーユーザーだけなのが現実です。だからこそ業界としてはビギナーファンを増やすこ とが急務になっています。でもその前に、業界人が自分の親しい人に対して、自信を持ってパチンコ・パチスロを勧められるのか。まずそれができるよ うにならないと、新しいファンなんか増えないと思います。そして少なくとも30年以上打ち続けている筆者は、近しい身内に対して今のパチンコ・パ チスロは、一切勧められないなというのが素直な気持ちであります。

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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵

学生時代にパチンコ・パチスロの魅力に取り付かれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるず ると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続 中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp

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