【水曜】第48回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2015.04.01 / 連載

第48回祝・平成の大修理完了

世界文化遺産であり国宝でもある、姫路城。平成の大修理が完了し、白鷺城という愛称の通りの美しい姿がよみがえりました。とはいっても、筆者は別に藤波辰爾(アントニオ猪木に続き、WWEの殿堂入りおめでとうございます)ではないので特に城に興味があるわけではなく。どちらかといえば完成記念式典で行われた、ブルーインパルスの祝賀飛行の方が見たかったのです。ただ姫路という土地は一部のパチスロマニアにとって思い入れがありまして、世間は姫路城の話題で盛り上がっているなか、筆者は「大広間」を意味する店名のホールを思い出した次第であります。

筆者が住んでいる横浜から、車を飛ばして約6時間。高速代や燃料代まで費やしつつ、5〜6年前には数ヶ月に一度のペースでそのホールに遠征していました。日本で唯一、とち狂ったパチスロが打てるという、ただそれだけのために。正直、しこたま負けました。それでもある小役が揃った次ゲームで告知される、さらにボーナス後のひと回し目が激アツで、終日ボーナス回数は100回オーバーも珍しくないといういかれたパチスロは極めて魅力的で、時にはあるホールの店長と、時には某開発会社の社長と、そして多くは一人で、時間と金を使ってまで通ったものです。さすがにあれだけ派手にやったら当然という感じで、5年ほど前に営業を終えてしまいましたけど。

この「大広間」というホールは極めて稀な例ではありますが、それ以前から珍しい機械が設置してあるホールには、仕事や個人的趣味問わず、遠征して打ちに行くということが多々あったものです。いわゆる珍古台の存在は、ホールが意図したものではなく、あまり予算がないから入れ替えられずに残っているというケースがほとんどでしょう。でもそれがいつしか個性となって、遠方から遠征してまで打ちに行く筆者のようなマニアをひきつける魅力になります。これからパチンコもパチスロも色々大きく変わることになりそうですが、せっかくならこれをチャンスと考え、意図的に珍古台を残していく ような方法もあるんじゃないでしょうか。どのホールに行っても大手を真似したような外装に内装に接客で、ましてや機械も同じようなものばかりでは正直面白くありません。それよりも他にはない魅力や個性を追求していくことが、生き残りの鍵になるんではないのかなと思うのです。

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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵

学生時代にパチンコ・パチスロの 魅力に 取り付かれて、はや30年以 上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるず ると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続 中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp

喜納臭蔵, 水曜