【水曜】第47回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2015.03.25 / 連載

第47回 地方のテレビはパチンコ頼り?

サッカーが生きがいである筆者は、愛するクラブ(Jリーグ2部の横浜FC)の応援で地方へでかけることがしばしばであります。とはいっても財布の 中身が乏しいため、遠征費を削減しようと多くの場合は仲間と車を借りて九州や東北へ日帰り強行軍がほとんど。その土地の美味しいものを食べたり観 光したりなんて余裕はありませんが、それでもたまには泊まりでゆっくりすることもあったりします。そんな時には地方テレビのローカル放送を視聴するのも楽しみなんですが、見ていて思うのは「CMがパチンコ屋ばっかり」だってこと。そればかりか、パチンコ・パチスロの番組も多いんですよね。 少なくなったといわれますけど、それでもマスメディアの影響力はやっぱり絶大。CMを見たり番組を見れば、じゃあ翌日はホールに行ってみようかとい う気持ちになるのは筆者だけではないでしょう。

そしてさらに思うのは、近年のファン人口低下にはマスメディアでの扱いの差が少なくないのかなということ。かつてはバラエティ番組でパチンコを楽しむタレントさんの姿が頻繁に流れていましたし、「パチンコブーム」といって紹介されていたために「流行っている感」も確かにありました。逆に今 はネガティブな話題がニュースで取り上げられるくらいで、これじゃあ浮動層なんてものを取り込むのは難しいと言わざるを得ません。せめて機種広告の出稿があれば、マスメディア側の対応も変わってくるだろうし、それでファンを増やすこともできるかと思うのですが(ある機種の「合体する」みた いなキャッチコピーは、確かに世間の興味を引きましたから)、現時点ではメーカーによるマスメディアへの機種広告出稿は震災以降の自粛を継続中。 でもこれだけ地方でパチンコ・パチスロのCMや番組があるなら、そろそろ自粛を見直しても良いのではという意見も出てくるのではないでしょうか。 実際、先日のイノベーションフェアでも組合の偉い人がそういう意見を述べていましたし。

まずは知ってもらうという「きっかけ」がなければ新たなファンは増えません。昔みたいに悪い先輩や友達の影響でという状況が減っている現状では、 なにか「きっかけ」を提供しなければなりません。そう考えた時、やはりマスメディアの力は必要になるのかなと。機種広告で自分が好きだった作品が パチンコやパチスロになると知れば、それは潜在層への大きな「きっかけ」になりますし、スリープ層の掘り起しにもなるでしょう。もちろん一定の批 判を集めてしまう危険もありますが、そこを上手く迎合できる形があるなら、どんどんマスメディアを利用すべきではないでしょうか。もちろん行政か らいわれた広告宣伝規制は厳守しつつが必須条件になりますが、同じように批判を集めているソーシャルゲームがマスメディアへの大量広告出稿で売上 げを拡大している状況を横目で見ているなら、そろそろ積極的に動き出すべきなのかなと思ったりします。

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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵

学生時代にパチンコ・パチスロの 魅力に 取り付かれて、はや30年以 上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるず ると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続 中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp

喜納臭蔵, 水曜