【水曜】第44回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2015.03.04 / 連載

第43回大事なのは「出玉感」ではなく「出玉」です

近所のパチンコホールの話。グランドオープンしたと思ったら、数週間で突然休業。そして1カ月程度で再びオープンという、ファンにとっては不可解な〝事件〟がありました。近隣 ホールの店長に聞いたところ「パーソナルシステムをやめて玉積みに戻すためじゃないか」とのこと。これくらいの設備工事なら閉店後の突貫工事で翌 日も普通に朝から営業できそうですが、玉積みにするには「ビルが古くて、玉積みだと床が耐えられない」らしく、ビル自体の補強工事を強いられたた めに再オープンまで時間を要したと。あくまで伝聞ですが、実際に再オープン後はパーソナルシステムから玉積みへと変更されていました。

ユーザーにとっては持ち玉数がはっきり分かるパーソナルシステムは至極便利で、筆者的にはホール選びの大きな基準になっているほど。まさか全台 でパー
ソナルシステムの計数部が故障することはないだろうから、某中堅チェーンで
あった計数器の故障で出玉を損しちゃう(さらに客側がごまかして いると責任
転嫁され、真っ当な謝罪もない)みたいなこともありませんし、余り玉が出ないように調整したり台移動が簡単だったりと、慣れてしまうと 玉積みには戻れません。ホールにとっても人件費の削減やドル箱の上げ下げ以外にサービスを振り分けられるといった大きなメリットがあると思うんで すが、出玉感を演出できないからという理由で根強い不信感があるみたいですね。

なかには稼働が伸びないことをパーソナルシステムのせいにしている店長もいたりしますが、そこまで箱を積んでの出玉感が必要なのかは正直疑問だなと。ちょっと打てば回るか回らないか判断できるし、この機械はこれだけ出ますよとアピールしても、スペックが分かっていれば特に意味はないですか ら。知識よりも見た目で判断しがちな高年齢層のファンには有効かもしれませんが、本当に出玉が期待できるなら出玉感という演出がなくても客は集ま ると思います。例えば液晶がないジャグラーが、液晶ばかりかゴテゴテのギミックまで搭載した機種よりもファンから支持されるように。演出でいくら ごまかしても本質が伴わなければ、ダメなものはダメ。いつまでも出玉に「感」をつけるような演出に騙されるほど、ファンはバカじゃないと思います よ。

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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵

学生時代にパチンコ・パチスロの 魅力に 取り付かれて、はや30年以 上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるず ると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続 中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp

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