【水曜】第41回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2015.02.10 / 連載

第41回 ポプ弁大盛り

筆者が上野村をうろうろするようになって、もう25年くらいでしょうか。ライター稼業を始めた頃にある機械屋(販社とか業者ってやつですね)さん と縁ができて、なんとなく上野の事務所に机を置かせていただけることに。横浜在住の筆者にとって都内に拠点ができるのはとてもありがたく、当時は メッカと呼ばれていたくらい盛り上がっていた上野界隈のホールで開店から閉店まで打って、そのまま事務所で仕事をしてソファーで寝るなんて生活を しておりました。ただのパチンコ・パチスロファンだった当時(今でもそうですけど)の筆者にとって上野村はキラキラと輝いて見えたものですが、ま だ攻略誌を門前払いするメーカーも少なくありませんでした。そのため取材や撮影はおろか、パンフを手に入れるのも一苦労。知り合いの業者に頼んで 貰ってきて頂いたり、時にはホール関係者を騙ってショールームに入ったりしたことも。それが今ではプレス発表会が当たり前に開催されるようになる なんて、時代は変わるもんですね。

そんなわけで上野村の移り変わりを多少は知っていると自負しているんですが、ここ数年の不景気風は止むことがないなというのが実感です。老舗の機 械屋が入っていた事務所がいつの間にか空き物件になっていたり、ちょっとしたショールームにピッタリな1階事務所にいつまでもテナント募集中と 貼ってあったり等々。メーカーさんは自社ビルをどんどん建てるなか、機械屋はどんどん減るばかり。メーカーからの直販が増えるにつれ、ホールと メーカーの間で動く機械屋はどんどん淘汰されています。つい先日も知り合いが関係しているところが飛んだなんて話も聞きましたが、末端の機械屋ま で景気が良かった時代は、パチンコやパチスロ全体も元気が良かったのかなと。今では新機種が出るたびにメーカーのショールームに派手なラッピング が施され、街の見た目自体は昔に比べて華やかになっています。でもメーカーとホールの橋渡しをしていた機械屋が減っていったことで、なんとなく歯 抜け状態になっているのが今の上野村なのかなと。直接業界とは関係ないですが、上野村のど真ん中にあるコンビニ・ポプラも閉店してしまいました。 晴れた日には蓋がご飯で閉まらないほどの大盛り弁当を買って、西町公園で食べるのがささやかな楽しみだっただけに残念でなりません(食関係で言え ば、武道具屋の斜め前にある立ち食いライクなうどん屋がなくなったのも個人的には大ショックでした)。

かつて縁があった機械屋も、だいぶ前に事業を止めてしまいました。でも筆者は自転車で15分程度のところに仕事場を構え、今でも上野村をうろうろ しております。横浜の自宅でも仕事はできるし、またパチンコ・パチスロ関連以外の仕事もしていますので特に上野にこだわる必要もありません。それ でも一介のパチンコ・パチスロファンとしても愛着がある街だからこそ、これから先の上野村がどう変わって行くのか見届けたいなと勝手に思っていま す。

——————–

パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵

学生時代にパチンコ・パチスロの 魅力に 取り付かれて、はや30年以 上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるず ると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続 中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp

 

パチンコ雑誌ライター, 喜納臭蔵, 水曜