【水曜】第37回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2015.01.14 / 連載

第37回 もうそういう時代じゃない?

ふと気付いてみれば、いつの間にか成人式って1月15日じゃなくなっていたんですね。今の形になってからは正月が明けたと思ったらまた連休で、 ホール的にはありがたいのかなと(ま、勝手な想像ですが)。それはさておき大人といえば、「タバコに酒」というのがやっぱり定番。成人式の抱負で は「禁煙します」だとか「禁酒します」なんていうのが様式美としてあるわけです。ほとんどの場合、どちらもそれ以前からやっていたとしても、お おっぴらにできるというのはなんとなく感慨深いものがあったりして。今では喫煙率はかなり下がっていますが、吸わない人でも1回くらいは大人にあ こがれて試してみたのではないでしょうか。

そんな大人の嗜みですが、解禁が20歳と18歳という違いはあっても、かつてはそこにパチンコも間違いなく入っていたと思います。高校を卒業して 働くようになったり、大学に入ってバイトを始めたりして、ちょっと懐に余裕もできた状況で、先輩や悪友に誘われて始めるというのが常道かと思いま すが、若者にとっての娯楽として確固たる地位を築いていた時代は確かにありました。でも最近は、ホールで若い人の姿を本当に見かけない。昔よりお 金を使うようになってしまったことも大きいし、娯楽の多様化という面も否定できません。でもなにより、若い人を引きつける魅力がなくなってしまっ たのが大きいのかなと。

若い人にとって何が魅力なのかといえば、個人的には「背徳感」じゃないのかと考えます。タバコも酒も20歳未満は禁止されているからこそ、20歳 になるまでに体験してみたい。正直、初めて嗜んだ時はどちらも美味しいとは思いませんでした。でも悪いことをしているんだという自分自信に酔って 続けているうちに、だんだんその美味しさがわかってくる。ホールもかつては危ないイメージがあり、だからこそその場にいるという感覚がなんとなく 嬉しかったものであります。でも今のホールは「健全ですよ」「アミューズメントですよ」ということで、ちょっと悪いことをしてみたい人にとっては魅力がないのかなと。それでいて打ってみたら、ものの1時間で 数万円がなくなってしまう。これじゃあまだまだ懐に余裕がない若者にはついていけないのも納得かと。

若い人が入ってこないジャンルには、間違いなく未来はありません。かつては隆盛を誇った競輪や競艇が斜陽になって久しいですが、それはパチンコの 将来でもあります。そうならないために若年ファンをいかにして拡大するか、業界にとって待ったなしの課題と言えるでしょう。

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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵

学生時代にパチンコ・パチスロの 魅力に 取り付かれて、はや30年以 上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるず ると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続 中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp

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