【水曜】第16回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点
2014.08.20 / 連載一千万人割れですか…
毎年話題になる「レジャー白書」ですが、今年はついに参加人口が一千万人という大台を下回る結果になりました。一昨年の4百万人減という数字にも驚き ましたが、数字的なインパクトは今回の方が大きいと思います。「大台」という、これといった根拠があるのかないのかわからない指標ではありますが、 桁がひとつ減ってしまうというのは見た目にも明解ですし。結果、参加人口は20年前に比べると1/3、10年前と比べても1/2に近くなり、「これでは斜陽産業だ」なんていわれるのも当然。ましてや少子高齢化という日本自体が抱える深刻な問題で、新規ファンとなりうる分母は 減るばかり。少なくとも20年前、ひょっとしたら10年前のレベルまで増やすことはもう不可能なのかもしれません。
似たような状況は、すでに公営ギャンブルが先んじております。筆者は一時競輪にハマっていたことがありまして、ちょいちょい競輪場へと足を運んで いました。主に平日ということもあり、そこは一般社会とは隔離されたとも思える風景が広がっています。なにしろ若者が驚くくらい いない。客はリタイアしたであろうおっちゃんやおじいさんばかりで、(人のことはいえませんが)加齢臭がただようばかり。服装もみなさん黒やグ レーの地味な色ばかりで、なんとなくダークな雰囲気をかもしていたり。失礼ながら残された寿命もそんなに長くはないと思われますが、そうすると若 者がいない以上、ファン人口は減っていくのは必然。またそんな今いるファンは年金暮らしが多いかと思われますが、少ない小遣いで遊んでいるからか 投票券をチラ見するとみなさんビックリするくらい安い金額しか賭けていらっしゃらない。1レースにつき数百円、一日遊んで数千円といった感じで しょうか。これでは売上げだって、なかなか上がらないのは当然です。
4年前には花月園競輪という大都市横浜にある競輪場が廃止されましたが、これから先、同じような運命をたどる公営ギャンブルが増えてくるのは必至 でしょう。実際、船橋オートが来年には閉鎖されるという話もありますし。もちろん主催者も新しいファンを増やそうと、様々な努力をしています。女 性を増やせば男性もついてくるというマーケッティングの定番理論で女性向け媒体に広告を打ったり、オートレースなら元スマップのレーサーを広告塔 に使ったり、ボートレースなら女性レーサーを全面に押し出したり等々。お役所仕事ならではの空回り感もあったりしますが、少なくともパチンコ業界 以上に業界が一丸となっての宣伝広告費を使っているはず。でも結果、ファンが増えたなんていう話は残念ながら聞いたことがありません。
長くなりそうなのでまた次回へ続くということにさせていただきますが、もしお時間があったら手近な公営ギャンブルを視察されることをオススメしま す。そこで目にされた風景こそ、近い将来のホールの光景なんだと実感していただけるはずなので。