【日曜】藤崎敏郎「行動せよ!決意だけでは0点だ!」

2014.11.10 / 連載
藤崎敏郎の人材育成セミナー第18回

「〝思います〟でなく〝やります〟を教えよう」

人材育成や社員研修で大切なことは、本人をやる気にさせることです。自分でやるという意欲を持たせることです。例えば、学んだ後の決意を次のように話す人がいます。「今日はたくさんの気づきと学びがありました。教えていただいたことをやりたいと思います」。

どこがおかしいかというと、「思います」という言い方です。社員研修だと、ほとんど受講者が、「~~したいと思います」と、発表します。学生時代のままの気分が残っているのでしょう。学生時代はそれで良かったのかもしれませんが、社会人は思っただけでは点数はもらえません。100点満点で言うと、0点なのです。行動して初めて何らかの点数がもらえます。そして、何度も行動して点数を積み上げて、何とか合格点に達していくのです。

部下に行動させる為に、「~したいと思います」という言い方を「~~します」と言い切るように指導しなければなりません。実際に、この言葉の使い方を変えただけで、上司の信頼を得て、昇格できたという受講者もいました。経営者は行動する人が好きです。思うだけの人を嫌います。「やります」という人が好きなのです。

言葉には、すごい力が宿っています。「~したいと思います」と言うと、思っている自分が実現されます。行動しないで思っているだけの自分です。だから、そのことは思うだけで永遠に実現されないのです。私たちは言葉で言ったとおりの人間になるのです。逆に、「やります」と、言えば実行されるのです。

部下に強い言葉で、「~~します」と断定的に言い切る習慣を身に付けさせましょう。まず、自分自身が率先垂範しましょう。以下に参考になる「5羽のカモメ」を載せておきます。決意して思うだけでなく行動する大切さが分かります。

【5羽のカモメ】

5羽のカモメが防波堤にとまっている。そのうちの1羽が飛び立つことを決意した。

残っているのは何羽だい?・・・・・4羽です。

そうじゃない。5羽だよ。

いいかい? 誤解されがちだが、決意そのものには何の力もないんだ。そのカモメは飛び立つことを決意したが、翼を広げて空を舞うまでは防波堤にとまったまま。残りのカモメとどこも違わない。人間だって同じだよ。何かをしようと決意した人と、そんなこと考えてもいない人とでは何の違いもないんだ。ところが人は、他人のことは行動で判断するのに、自分のことは決意で判断することがよくある。しかし、行動を伴わない決意は、期待してくれている人に対する裏切りでしかない。

出典「希望をはこぶ人」 ダイヤモンド社 アンディ・アンドルーズ・著/弓場隆・訳

今回の格言は、「“思います”でなく“やります”を教えよう」

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株式会社パートナーズリンク社長 藤崎敏郎

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元セブン&アイグループの本社スタッフ。その後パチンコチェーン店に入社。機械担当部長、営業部長として勤務する。その後、人事コンサルタントとし て独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでに教えた受講者は10万人以上。業界誌にも複数連載し、ナンバー1人事コン サルタントと言われている。取得資格:キャリアコンサルタント、販売士1級、社労士、米国NLPマスタープラクショナルコース終了、トレーナーコーチ、メ ンタルヘルスマネジメント2級

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