【日曜】藤崎敏郎「リーダーは自分の言葉を持て」

2014.10.20 / 連載

藤崎敏郎の人材育成セミナー第15回

「部下にとって都合の悪い方針でも、自分の言葉で伝えること!」

店長やエリア長の立場になると、部下に都合の悪いことでも、経営方針に沿って伝えなければなりません。経営方針の修正や変更があれば、以前と違うことも言わなければなりません。その時にどのように部下に伝えるかで、リーダーとしてふさわしいかが分かります。

例えば、本社の店長会議で決定した営業方針の変更を、あなたがメンバーに伝えることになりました。その内容は、店舗の部下から猛反発されることが予想できます。どのように説明しますか? 次の3つの事例から選んでみましょう。

【1】 部長(社長)がやれと言うからやれ。

【2】 私は反対したけれど、仕方ないだろう。嫌なら辞めるしかないから、我慢してやろう。

【3】 私はその方針にはこのようなメリットがあると思う。うまくいくようにやってみよう。

おそらく、上記の3つくらいの伝え方がほとんどだと思います。もちろん、どれが正しいかはすぐに分かるでしょう。反発が予測できるような方針変更は、方針をそのまま伝えるのではなく、【3】のようにしっかりと自分の考えを加えて、自分の言葉で伝えるようにしなければなりません。

そして、やってはいけないことは、【2】のように「自分は反対だったけれど、会社で決まったことだからやろう」というような表現や態度を取ることです。やりたくないことをやって、うまくいくはずはありません。かつ、そのような後ろ向きなリーダーは、部下の信頼を得ることができないでしょう。

【1】の言い方はもっともいけません。全部の責任を上司に押し付ける言い方は、自分の考えを何も持たない〝伝書バト〟だと部下に言われるだけです。

会社は好調な時ばかりではありません。不振な時もあります。例えば、店舗閉鎖をしなければならない、賞与を支払うことができない、住宅手当を減額しなければならないなど、会社を守るために部下に都合の悪いことでも伝えなければならないケースがあります。その時に、本当の会社の強さが試されていると私は思っています。「今は大変な時で、みんなを不都合な目に合わせて申し訳ないと私は思っている。しかし、力を合わせればこの危機的状況を乗り越えられる。私はみんなのために全力を尽くすので、協力してほしい。みんなでがんばろう!」と言えるリーダーがいる会社は強いです。どのような会社も起業してからこれまで順風満帆で来たのではありません。大きくなった会社には、危機を救ってきたリーダーがいることを私は知っています。

今回の格言は、

「リーダーは都合の悪い方針でも、自分の言葉で部下に伝えること!」

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株式会社パートナーズリンク社長 藤崎敏郎

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元セブン&アイグループの本社スタッフ。その後パチンコチェーン店に入社。機械担当部長、営業部長として勤務する。その後、人事コンサルタントとし て独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでに教えた受講者は10万人以上。業界誌にも複数連載し、ナンバー1人事コン サルタントと言われている。取得資格:キャリアコンサルタント、販売士1級、社労士、米国NLPマスタープラクショナルコース終了、トレーナーコーチ、メ ンタルヘルスマネジメント2級

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