PiDEA編集部が「涼宮ハルヒ」をみてみた

2014.05.26 / 連載

現在、ホールの中を埋め尽くさんばかりにアニメ版権があふれています。たしかに話題性があり、集客のフックにできる可能性は大きい。しかし、内容も知らずにアニメパチンコ、マンガパチスロに飛びつくってどうなの? せっかく設置するのなら、原作のよさを知っておくべきでは? というわけでPiDEA編集部が原作アニメを実際にみて、その良さを紹介しちゃいます。第2回は「涼宮ハルヒの憂鬱」。

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※若干のネタバレ要素を含むかもしれません。気になる方はブラウザバックお願いします。また、導入が決定しているコンテンツではないのでご了承ください。

涼宮ハルヒの憂鬱とは。

 何かと話題になることが多い「涼宮ハルヒの憂鬱」も、ついにパチンコが出るとか出ないとか。ネットで噂が立っています。何がそんなにすごいのか、その辺を少し説明したいと思います。

「涼宮ハルヒの憂鬱」とは、2003年に発行されたライトノベルが原作で、角川書店が主催するライトノベルの文学賞スニーカー大賞を(第1巻で)受賞しています。2006年に京都アニメーションがアニメ化し人気が爆発しました。

アニメの第一話。主人公の涼宮ハルヒは高校の入学式後、自己紹介でこんな宣言をします。

「ただの人間には興味ありません。この中に、宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」

ぶっ飛んだ自己紹介をしたハルヒはセリフの通り、平凡な学生生活を良しとせず、超常現象や事件に異様なまでの食いつきをする女の子なのです。そう、普通じゃない。対して、もう一人の主人公キョンは、ハルヒが興味ないはずの普通の男子高校生。なのに、ハルヒがつくるSOS団(=世界を多いに盛り上げる涼宮ハルヒの団の略)に強引に組み込まれていきます(※なぜハルヒがキョンと仲良くなったかは第8話の「笹の葉ラプソディ」で明らかになっています)。このSOS団が中心になってストーリーは展開します。

SOS団とは何なのか?

SOS団には、ハルヒとキョンの他に3人のメンバーが入ります。未来人の朝比奈みくる、宇宙人(に近い存在)の長門有希、超能力者の古泉一樹がそうです。ハルヒの望み通り、キョン以外は普通でない人たちが集まりました。高校の入学式後にハルヒが宣言した宇宙人、未来人、超能力者です。なぜ、そんな連中がSOS団に集まったのか。それは、ハルヒ自身が自分の望んだとおりに世界を改変できる能力を持っているからなのです。しかし、ハルヒ自身はその能力に気付いていない。キョン以外の3人はそのハルヒの能力が暴走しないように監視をするために近づいているのです。では「能力の暴走」とは何か。ハルヒはメランコリー状態(憂鬱な精神状態)になると、現実の世界とは隔絶した「閉鎖空間」を生み出し、その中で巨人のように暴れて街を破壊し自我を保つことがある、非常にやっかいな人物です。日常生活の中でハルヒの憂鬱レベルが溜まってくると閉鎖空間が発生し、それがひどくなるとリアルな世界にも影響が及んでしまうかもしれない。そんなところが、ストーリーのキモだったりします。はー、長かった(笑)。

ハルヒがなぜ注目されるのか

ストーリーは単純ではなく、設定もメタフィクション(フィクションの中にもう一つのフィクション)な感じで深いのですが、それだけがヒットの要因ではないと思います。「涼宮ハルヒの憂鬱」は後のアニメ市場に大きな衝撃を与えたエポックメーキングな作品なのです。

まず、放送されたのが2006年。ハルヒヒットの裏には、少なからず京都アニメーションの技術の高さとニコニコ動画の存在があります。

そして、ハルヒと言えばエンディングのダンスが有名です。ハルヒ、みくる、長門の3人がアイドルよろしく軽快に歌って踊ります。立体感のある滑らかな動きと可愛らしい振り付け、服の動き、動きによって生じる影など、細部まで描写されたクオリティーは当時のアニメファンをうならせました。それが話題となり、ニコニコ動画でアップされ情報が拡散。アニメに興味がなかった人たちの心を「おおっ!今のアニメってこんなに動くのか」と揺さぶったわけです。(デスク追記:学園祭でハルヒと長門らがバンド演奏するシーンも、ギターのコードを押さえる指の動きとかドラムのスティックの動きがスゴいリアル!)

京アニの技術力とニコニコ動画の情報拡散力によって、「涼宮ハルヒ」は神格化したのではないかと思っています。

間違いなく多くのファンを持ったコンテンツなので、もしパチンコ化された暁には、スペック面に不安がなければ飛びついてもいいのではと思います。

アニメ, ハルヒ, 涼宮