2つの要因が「どのようにして業績を上げればいいのか」わからなくさせる。(林秀樹)
2019.09.13 / 連載【金曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(230) 新しい価値を作り出す
皆さんこんにちは、アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。今週は話題機種の納品スタートとともに関東を台風が直撃し、その後は台風一過もありまだまだ残暑が厳しく続いています。
そんな中、これからは売上、稼働が伸びにくい時期となることで、他店との「差別化」をどうするか、いろいろと考えていると思います。そこで今回は少し変わった側面から「差別化」について考えてみたいと思います。
パチンコ業界は他業界と比較して大きく2つの点で難しい特性があります。
まずは「同じ商品(=機種)“のみ”で競争する」という特性です。特別に探し当てた商品を目玉として集客を図るということがほぼなく、他業界では当たり前に行われる商品構成(機種構成)での違い、差別化が非常に困難です。
もう一つが、これまた他業界では当たり前のように行われている販促イベントや広告宣伝を行うことが難しく、普通の、当たり前の集客努力というものができないという点です。安売りができない、特定の商品(=機種)のピックアップができないとなり、ここでも他店との違い、差別化が困難です。
これら2つの要因が「どのようにして業績を上げればいいのか、わからない。」となってしまい、結局は過去からのブランド力やこれまでの店舗イメージによって序列が固まり、商圏内のパワーバランスは変わらないままです。
しかしこのような状況でも一部には着実に業績が向上しているお店もあります。そういったお店は何が違うかというと、
・いろいろな面でお店独自の特長づけがされている
ということです。もちろん上記のように機種構成や販促、広告宣伝の規制は同じであり、どのような点で「特長づけ」をしているかというとそれは、
・お店の方向性を明確にして、それを簡潔に示したコピーがある
というものです。
ただ、こういった話はよく聞く話であり、いまさらこんなことは言われなくても多くの方は知っているでしょう。
「特長づけはすべきだから、したほうが良い」
というようなありきたりな一般論ではなく、「どん特長づけ、コピーがいいのか?」の例を知りたいはずです。
例えば下記の語群をご覧ください。これは普段よく耳にする単語、キーワードの一例です。
・刺激
・気軽さ、手軽さ
・快適
・選べる
・遊べる
・スター
・熱い
・期待感
・ノスタルジー
・意外性
これら以外にもたくさんあるはずと思います。思いつくものを出来るだけ多く考えてみてください。そしていくつか思いついた後に、下記を読んでください。
いろいろなキーワードが思いついたと思いますが、実はそれらはすべて
・これまでに使用されているキーワード
です。すでに他業種含めてこれらのキーワードを基に店舗コンセプトを創っている例があるからこそ、自分の耳に残っているので思い出せるのです。
「ということは、これらのキーワードはもう使えない?」
というとそうではないです。実はこれらすでによく耳にするキーワードを使ってまったく新しいコンセプトを創り出せます。それは、
・つなげる
ということです。「「〇〇で、△△な~」、「××だけど、□□な~」というようにつなげることでまったく新しい店舗コンセプトが創造できるのです。例えば、
・ノスタルジックだけど、刺激的
・快適な空間で、熱いひと時を
などなど、組み合わせ次第で様々な差別化が創り出せます。
商品構成で差別化が出来なく、販促や広告宣伝をしにくいので訴求が難しい時代だからこそ、店舗コンセプトやキャッチコピーが必要です。「カネがないなら、知恵を出せ」、昔から言われていることをしっかりと実践していきましょう。
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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。著書に「ジリ貧パチンコホール 復活プロジェクト」(幻冬舎)がある。
アタッキングバード5年以上
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「出す」とか「出る」というのが最大のキャッチコピーになるんだけど使えないんですよね。