中位以下のホールについては遊技機評価はまったく関係ない、意味がないというお話(林秀樹)

2020.07.03 / 連載

【金曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(272) 遊技機のことよりも大事なこと

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。7月に入りました。6月は新型コロナの影響から徐々に脱却を感じる流れがあり、賞与支給がある7月は期待が持てそうです。そして年間の季節指数で最も高い8月まで、上り調子となってもらいたいものです。

さて最近はいわゆる遊タイム付きの新機種が話題となっています。そうしたことから「新機種をどう使うか、どのような機種が支持を得るか、どのようなスペックならいいか」など発売前の機種についての意見交換が活発になっていると感じます。

しかし私は、特に中位以下のホールについてはこういった「遊技機評価」は全く関係のない、意味のないお話だと思います。中位~下位はそもそも入替に頼った営業戦術はできないからです。「できないこと(=新機種を導入できないこと)を考えるのではなく、できることは何なのか」を考える方がはるかに建設的です。

集客するためにはお客様に「満足感」を感じてもらう必要があります。確かにその要素の一つとして「遊技機(の構成)」はありますが、これは言ってみれば「横並び」で、他社との違いを創り出す源泉ではないです。

満足感には「情緒的な満足感」と「合理的な満足感」の2つがあります。情緒的な満足感を得ているお客様とはそのお店に対して強い愛着を感じているお客様です。この場合、ちょっとしたことで離反したりせず、お店と長期的な関係を持ってくれます。

それに対して合理的な満足感を得ているお客様は、設置遊技機や設備、出玉などを合理的に判断したうえで満足をしているお客様です。この場合、仮にもっと優れた(と感じられる)代替設備やお店が現れると、合理的な判断に基づいて乗り換えることになります。業績を上げようと考えた場合にどちらを重視した方向性が良いかと言えば、答えは明らかでしょう。

仕事をするうえで「武器(=機種)」の特性を調べることは必要なことだと思いますが、それが第一義ではないです。一番考えるべきことは「どうすれば業績が上がるか」であり、そのためには「お客様との関係性を上げること」の方が必要なことだと思います。これから仕入れる武器のことはその後です。

遊技機は差別化の源泉にはなり得ません。お客様の「情緒的な満足感」を高揚するためのことを考えてほしいと思います。業績を上げる元はやはり、「モノではなく、コト」です。

 

 

■ 「パチ盛り」始動

パチンコを盛り上げるオンラインサロン、通称「パチ盛り」が7/1より始動しました。
このオンラインサロンは一人のカリスマ、著名人のファンクラブ的なものではなく、「参加メンバー全員が主役」としてメンバー同士が関わり意見を出しあい、より良いモノを作り上げる場です。

今回集まった方たちは皆、パチンコ営業の現場で実務を積み重ねてきた本当のスペシャリストばかりです。コラムを書いたり記事を書いたり、そういった「大所高所」から業界にかかわってきた面々ではなく、本当に実務で現場を渡り歩いてきた人たちです。彼らスペシャリストの言葉、アドバイスは「本当に現場で必要なこと」にダイレクトに響くと思います。

詳しい情報は公式HP https://pachimori.squares.net/eil84049/ をご覧ください。

 


アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。著書に「ジリ貧パチンコホール 復活プロジェクト」(幻冬舎)がある。

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