【日曜】藤崎敏郎「上司の言葉はすべて命令」

2014.12.01 / 連載

藤崎敏郎の人材育成セミナー

第20回 「アドバイスは即実行で印象大幅アップ!」

例えば、社長や上司から、「この本は役立つから読んでおいた方がいいよ」と言われたとします。その時の皆さんはどうしますか。

①他の仕事があるのでムリ

②時間があれば読もう

③すぐにその本を買って読む

だいたいこのような対応になるのではないでしょうか。すぐに読む人の割合は、とても低くて100人中に2人か3人だと思います。しかし、アドバイスで言った方は、ほとんどの人が読んでくれるだろうと思っています。100人中80人くらいは読んでくれるだろうと思っているのです。このような食い違いが起こる原因の一つとして、部下の方は、アドバイスは特にやらなくてもいいと思っているからです。やるかやらないかの選択の権限は、自分にあると思っているのです。

仕事の中の会話でも同様のケースがあるかもしれません。言い方の優しい上司だと、例えば、「年末年始に向けて、倉庫の整理整頓をしっかりとしたほうがいいよ」という言い方をすることがあると思います。これを、部下は、アドバイスと勘違いをして、時間があればやればいいと思います。そして、そのまま時間が取れなくて、整理整頓しないまま、お正月を迎えてしまって、上司から叱られるケースが発生するのです。言った方は、アドバイスでなく、命令のつもりで話しているのです。

ポイントは二つあります。一つ目は、まず言う方の立場からです。上司としての「命令」ならキッパリ言い切ることです。部下にものを伝えるとき、それが「命令」なのか、「アドバイス」なのか、分かるように表現しなければなりません。部下が「アドバイス」としか受けとれないようないい方をしておいて、あとで「あれほどやるように言っただろう」なんて言うと、部下はそれ以後、上司の言葉を信じなくなります。

そして、二つ目は言われる方の立場からです。例えば、急遽、部長から店長に「別の店舗に社員を応援に出して欲しい」とお願いされるケースや、上司から急なシフト変更をお願いされるケースです。この時に、「~~してくれませんか」、「~~をお願いできませんか」という言い方をされるかもしれません。この時に、上司の言うことは、お願いでなく命令だと思って行動しましょう。中には、お願いだから、ムリにやらなくてもいいと思っている人がいるかもしれません。そのような部下に対しては、上司は心の中で協調性のない困ったときに助け合わない部下だと判断しています。上司のお願いはチャンスだと思って、すぐに「ハイ!かしこまりました!!」と返事をしましょう。

今回の格言は、

「上司の〝アドバイス〟〝お願い〟は、チャンスだと思って行動しよう!」

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株式会社パートナーズリンク社長 藤崎敏郎

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元セブン&アイグループの本社スタッフ。その後パチンコチェーン店に入社。機械担当部長、営業部長として勤務する。その後、人事コンサルタントとし て独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでに教えた受講者は10万人以上。業界誌にも複数連載し、ナンバー1人事コン サルタントと言われている。取得資格:キャリアコンサルタント、販売士1級、社労士、米国NLPマスタープラクショナルコース終了、トレーナーコーチ、メ ンタルヘルスマネジメント2級

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