今こそファンとの「密」なつながりを〜KYORAKU 第3回ぱちんこアカデミーをレポート〜

2020.10.15

KYORAKUが実施したオンライン上のファンとの交流イベントは、ファンが能動的に参加できるような双方向的なイベントだった。
その模様をレポートしつつ、KYORAKU担当者が語るオンラインイベントの狙いや背景、そして双方向的な少人数イベントのもつ真価について掘り下げていく。


2020年9月7日より全国のパチンコホールに導入された「ぱちんこ 仮面ライダー 轟音」。それに先駆けてKYORAKUは9月5日(土)にKYORAKUファン・パチンコファンを集めたオンラインイベント「第3回ぱちんこアカデミー・ヒラヤマン&ナツ美の“ぱちんこ 仮面ライダー 轟音”導入直前♡集中講座」を開催した。その模様がKYORAKUオフィシャルYouTubeチャンネル「KYORAKU CHANNEL」に公開されており(リンク)、それを見ると、人気ライターによるファンとの双方向的なやりとりが新機種への期待の高まり、ひいてはパチンコそのものへの熱を高めていく様子をうかがい知ることができる。

オンラインに集ったファンと
新台講座&懇親会で交流

出演者は人気ライターのヒラヤマン氏とナツ美氏、この両名が「講師」となって新台のゲーム性やスペックを解説する。司会には吉本興業のお笑いコンビ「田畑藤本」の藤本淳史氏を迎え、楽しみながら新機種の情報を学ぶことができる、という趣旨の企画だ。

「アカデミー」という名はお飾りではない。講義の中では「新・ショッカー殲滅RUSHの継続率は約〇〇%」「『ハイパーベルトフラッシュ』発生で信頼度〇〇%」といったおさらいテストが出題され、「生徒」となったファンは指名を受けてそれに回答する。まるで学生時代に戻ったように、ちょっとした緊張感をもちつつ楽しく遊技する上での知識を押さえることができるしくみだ。

これまでの「ぱちんこ仮面ライダー」シリーズの振り返りから、東大卒高IQ芸人としても知られる藤本淳史氏による「時短で引き戻せる確率の計算」の解説まで、盛りだくさんの内容となっている。

講義のしめくくりはこの日の内容すべてを出題範囲とする「テスト」である。しかし、その後は、各自飲み物を手元に用意しつつの懇親会が開かれることとなっている。笑いあり、学びあり、楽しみありの、ファンにとっては非常に満足度の高いイベントとなったのではないだろうか。

 

 

画面共有機能を活用して講義することで、機械の情報をパンフレットよりも分かりやすく、直接伝えられる。

 

「ファンと交流したい」から
自然な形で始まった

「初めは、イベントというよりは単にファンとのコミュニケーションを取っていこうとしたんです」とKYORAKU担当者の小柳さんは語る。  

新型コロナウイルス感染拡大により、オフラインのイベントは全国的に中止となり、ホールも休業に追い込まれた時期である。同時にオンラインイベントの可能性を様々な企業が探っていた時期でもあった。KYORAKUはもともと、Facebook上に「KYORAKU パチンコ&パチスロ友の会」というファンとつながるコミュニティーを運営しており、その参加者とオンラインで懇親会を行ったのが始まりだったという。

最初は他愛のない話をする飲み会だった。しかし、回を繰り返すごとに、「毎回同じでは面白くない」という気持ちが募り、今回の「ぱちんこアカデミー」という企画が生まれた。

元々あったコミュニティーを母体としているため、ファンどうしも顔なじみが多い。コロナ禍以前では、友の会のメンバーが集まって飲み会を開いたり、遊園地に行ったりしていたほどだという。物理的な空間を共有するわけではないオンラインイベントでは、どうしても参加者に疎外感が生まれるのではと不安になりがちだが、このような下地があれば安心だ。

それに加えて、毎週金曜日にZoomのミーティングを開放し、ファンが気軽に参加できるような飲み会も開かれているという。

「時間と場所を選ばず、いつでもファンとコミュニケーションが取れる。コロナ前はオンラインイベントなんて全然考えていませんでしたから、ある意味コロナのおかげなのかもしれませんね」と小柳さん。コロナが収まってもリアルのイベントとオンラインのイベントを二軸で使い分けて運営していく見通しだ。

 

ノウハウは固まってきた
「密」なイベントの目指す先は

初めのころは運営も手探りだったという。参加者にはZoomの使い方に戸惑う人も多く、そういった方には個別にやり方を教えたり、開会のすこし前からZoomの部屋を解放して待機するなどといった、きめ細やかな対応を行ってきた。

試行錯誤の繰り返しから始まったが、懇親会・アカデミー合わせて10回以上と、開催を重ねるごとに運営側も参加者も慣れてきて、今はノウハウが確立してきた状態だと自信をにじませる。近い将来の展望はと聞くと、「KYORAKUでは毎年、ファンの方と一緒に忘年会企画をやってきているので、それもオンラインという形で開催したいですね」と小柳さん。「オンラインになったことでユーザーの満足度を落とさないように頑張りたいです」

そうなると気になってくるのがこの形式でのイベントの位置づけである。少人数で双方向的、もちろん物理的な距離は取っていつつも、ある意味で「密」なコミュニケーションが売りだが、Zoomという特性上、リーチできる数は限られてくる。YouTube動画などによるプロモーションが何万回、何十万回という再生数を出すこの業界において、少人数のイベントを開催することで得られるものは何なのか?

「アイドルでいうのなら、ライブと握手会の違いのようなものです」と小柳氏。どんなコンテンツであってもそうだが、ファンの間にはファン度の差、コミットメントの差がある。アニメでいえば、友達に誘われて放送を一度見て「好きだよ」という人もいれば、グッズを熱心に集めイベントに足を運ぶマニアックな層までさまざまだ。

「一方ではたくさんの視聴者に向けてプロモーション。それはYouTubeの動画で行っています。もう一方ではすでに好きな人にもっと好きになってもらう。色々なメーカーさんがある中でもKYORAKUの台をもっと好きになってもらう。ファンの中でもコアな層を増やしていく。そういったことも並行して行っていきたいと考えています。年々、遊技人口(パチンコファン)が減少していく中で、今いる既存ファンの方は大事ですし、そういったコアなファンに支えられていると考えています!」

まさにそのコア層に当たるFacebookコミュニティーの会員数も徐々に増加していっているという。手応えは十分だ。

 

懇親会の様子。よく見ると実機を背景に置いて参加しているノリノリなファンが。

 

ファンとの直接的な関わりは
「とても楽しいですね」

小柳さんも実際に、飲み会に参加してファンと直接交流しているという。その経験自体についてどう感じているのか訪ねたところ、「とても楽しいですね!」という答えをもらった。交流そのものの楽しみもあるし、ファンの視点からの情報が聞けて興味深いという。

しかし、外部の視点からは素朴な疑問が浮かぶ。ファンとの距離が近いと、機械の仕様や実際の稼動に関するクレームを受けることもあるのではないか。

「もちろん、そういったご意見もあります。逆に、そういったご意見は、非常に有難いことだと思っています。今後の機械開発やプロモーションの参考となったりしますので。逆に、あの機械は面白いだったり、良いスペックだといった声をいただくこともあります。さまざまなご意見を聞けることが貴重だと思います」  

お互いがお互いをリスペクトし、風通しよく意見が言え、交流ができる空間はオンラインの世界にそう多くあるわけではない。この秩序あるコミュニティーは、KYORAKUの作り上げてきたファンとの密な関わり、信頼関係があったからこそ生み出されたものなのではないだろうか。

パチンコとそのファンを結びつけるチャネルはさまざまである。このコロナ禍を奇貨として、ホールもメーカーもそれぞれの工夫を凝らした多様な企画を打ち出している。そんな中で、「ファンとコミュニケーションをとりたい」という原点ともいえるような気持ちから始まり、コンテンツの幅や規模を増しながら回を重ねてきたKYORAKUのオンラインイベントは、少人数・双方向性を満たす「密」な関係性をファンとの間に作り上げた。今後の業界で、新機種のプロモーションや動画配信と並行して行うことができる新たなスタンダード。そんな意欲的な取り組みだと言えるだろう。

 

 

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