今一度「遊び、楽しみ」ということの演出を考えていくこと(林秀樹)

2020.04.17 / 連載

【金曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(261) コロナ後を考えるのが、今すべきこと

 

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。緊急事態宣言が発令されて10日が経過しました。緊急事態宣言下の7都府県では多くのホールが休業という重い決断をしています。これはコロナを早期に収束させるために必要という判断からでしょう。ということは、この「営業自粛」は「コロナ後の営業再開」に向けた、前向きな決断だと言えます。

この期間、単に営業しない期間とするのはとてももったいないです。営業再開後について考え始めるべき貴重な期間です。

コロナ前より進めている新要件遊技機の入替は、導入する遊技機の性能がダウンするということでこれまで柱としてきた入替という戦術の効果が薄くなることが予想されます。これに加えてコロナ後は停滞した消費マインドという問題もあり、これまで「こうすれば大丈夫」と考えてきたことが通用しなくなることが予想されます。根本的に考え方を変えないといけない、つまり遊技機ではない、別の柱が必要になるのです。

「差別化」という言葉があります。競合他社と比較してさまざまな点で差異を設けることで競争上の優位を得ようとする戦略です。これを入替戦術上において違いを出すことで競争優位が作れたのがこれまででした。回数を増やす、機種数を増やす、台数を増やす、そして最速で導入する、などです。

この入替を軸とした手法を一言で表すとしたら、「モノによる差別化」といえます。モノによる差別化は即効性があり、短期的な業績向上にはとても寄与する手法です。

しかし、ヒトの欲求はどんどん高まるものであり、一度経験したレベルを下げることは難しいものです(これを経済学では「ラチェット効果」といいます)。最終的にはモノでの差異は際立たなくなり、どれも魅力がなくなってしまいます(これを「コモディティ化」といいます)。

だからこそ冒頭で述べた「別の柱」が必要になります。別の柱とは即ち「コトによる差別化」です。楽しそう、ワクワクしそう、雰囲気が良いなどの感覚的なことで他社との差別化を図るのです。特にコロナ後はパチンコに遊びに行くというマインドが薄くなっていることが予想されるので、これまで以上に「場の創出」が重要になると思います。

もちろん今までも行ってきたかもしれませんが、位置づけは「遊技機、入替をもっと盛り上げるため」のものであり副次的なものでした。これを、今後は主力と位置付けていくのです。

最近は季節感を演出するお店も少なくなっていました。自主規制などもあって販促に対する意識も薄くなっていたと思います。もちろん昨今の遊技機環境から、店舗管理者の意識が遊技機の方を強く考えていたことも影響しているでしょう。

しかし、繰り返しますがコロナ後はパチンコで遊ぶ、パチンコは楽しいという気持が薄れていると思います。だからこそ、今一度「遊び、楽しみ」ということの演出を考えていくことが、今後の営業には必要だと思います。

これら「コト」の強化はすぐに結果に表れにくいものですが、必ずお店の足腰を強くし、離反しにくい顧客をつかむことにつながります。

これから始めても結果はかなり先にしか得られませんが、始めなければ結果は絶対に得られません。コロナ後は、入替と同時に演出にも力を入れていってほしいと思います。

 

 

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。著書に「ジリ貧パチンコホール 復活プロジェクト」(幻冬舎)がある。

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