[検証]ド底辺ホールと競合店は思考が違う

2018.11.10 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(187) 過去ではなく未来を見る

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。11月の1週目が経過しました。先週には6号機第二弾や海物語の新規則機が登場しましたが、それでも厳しい稼働、売上だったと感じます。10月後半からの稼働低迷により改めてここまでの流れ、戦術、そして戦術の基とした戦略などを見直す必要性を感じていることだと思います。

これまでのやり方を見直す場合、まずは一つひとつの事実を確認し、それらの妥当性を検証していくことになります。たとえば、
・導入機種、時期、台数の事実と、それらが適切だったのか?(予算管理)
・玉利や利益率、割数の配分の事実と、それらが適切だったのか?(出玉管理)
・商圏、競合の動向確認と、その把握は適切にできていたのか?(商圏分析、競争戦略)
などです。しかし中身の掘り下げ方の方向性が違うと今後に生かせません。ここに強豪店との差が表れます。

例えば上記の中で入替に関することで不適切だったと考えられることがあったとします。台数が多すぎた、余計な中古を入れて予算を圧迫していた、などです。

①一般的な考え方
結論から言うと「問題思考」をしてしまう傾向があります。
・話題機だったが台数を多く入れ過ぎたことが問題だった
・「安物買いの銭失い」のような中古導入が問題だった
というように「問題点」として考えます。問題点としてとらえた場合、語尾に「~からダメなのだ。」となり、これは「結果論」といえ、多くの営業会議などで聞かれる言葉です。しかし問題点をいくら挙げてもそれは過去の結果でしかなく、一番重要な「だから、これからどうすればいいのか。」という視点に欠けています。

②強豪店的考え方
結論から言うと「課題思考」をします。上記と同じ事象についても、
・適正台数の導入という感覚を持つべきである
・中古は価格相応の期待しかできないと考えるべきである
というように、「これから先、未来に何をすべきなのか」を考えます。強豪店はこれまでの結果を基に未来のことを考えるという点で決定的な違いがあります。

以上をまとめると、
・問題点としてとらえると語尾が「~がダメ」となり、結果論、過去のことしか目に映らなくなる。これに対して課題点としてとらえると、語尾が「~をすべき」となり未来思考になる。
・問題点思考は硬直的な思考に陥り、課題点思考はこれからの可能性を探る思考になる。
といえます。

過去のことを検証することは必要ですが、そこで終わらずに(問題を発見しただけで終わらずに)、これまでの結果を基に未来を見る習慣をつけてほしいと思います。

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。著書に「ジリ貧パチンコホール 復活プロジェクト」(幻冬舎)がある。

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